善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

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リレー連載『偽りが変化(か)わるとき ~砂漠編』 byすーさん

<追記>ぎゃー大ミスを…!!!!↑のタイトルの?は私のミスです……すみませんでした(汗)

↓の記事にたくさんの拍手をありがとうございます!いやービックリしました(((;゚д゚)))

今回は、リレー連載第48話、書き手はすーさんですvv
ピンチが続くこのトンマン達にも、早く安らぎが訪れますように(´人`)


*****

ゆらゆら… ゆらゆら… 砂漠の夜に松明の灯りが揺れている……

「トンマンもピダムも見つからねぇーな!!」

ザズの言葉にカターンも頷きながら、目だけは必死に砂漠の砂の上を見渡している

トンマン、ピダム、そしてソファ…… 昔から見守っていた母子が、たった1日でいなくなったのだった

「何があったんだ… トンマン」

その呟きに答える者はなく……

カターンの目は何者をも見逃さないよう鋭く周りを見ている

「まったく夜になったっていうのに…あの野郎 どぉーこ行っちまったんだか!!」

ぶつぶつと仕切りに文句を言うザズなのだが、横に並んでいる弟のアルには分かっていた…

兄から余裕がなくなったということを…… いつものザズならば軽い口調のままに、口笛さえ吹いて歩くだろうに、今は必死な目をしてカターンと同じく目を凝らして砂を見ているのだ

あれほど高かった日も陰り、時はすでに夜となっている

砂嵐が消えてからも大分時間が過ぎているのだが…… まだ手がかりさえも分からないままで… カターンもザズも焦りが見えはじめた

そんなとき…… 砂漠の砂一色だった視界のすみに何かが見えた!

「トンマン!」

カターンや仲間達が走りより意識を失っているトンマンを見ているなかに、ザズとアルの兄弟もいた

トンマンをカターンに任せてザズは周りを、松明片手に走り回りピダムを探しているが…… 回りは砂一色……

「ちっくしょう!! やい、ピダム! どこにいるんだよ!」

夜の砂漠にザズの叫びだけが…… 一陣の風のように駆けめぐる……

*****

その頃、砂嵐によって飛ばされたピダムはというと……

「ぐあぁ~~~ ごぉお~~~」

寝ていた。。。

オアシスの外れにたどり着いたピダムだが、足を骨折したことで高熱が出てガタガタ震えている所に……

オアシスに先に居た者によって手当てされ、眠っていたのだった

「よく寝るガキだなぁ…」

ヨムジョンの呟きにムンノが、彼には珍しくクスリと笑っていた

砂嵐を感じたムンノの言葉に半信半疑だったヨムジョンだが… 商団を集めて目的のオアシスより近くにあった別のオアシスに避難していたのだ

最初はピダムに誰も気がついていなかったのだが、商団の中の若い者が暇潰しに歩いていたところに…… ヨロヨロとオアシスに向かうピダムに気がつきヨムジョンに報告したのだった

小さくはないオアシスで… ピダムがたどり着いたのは商団のちょうど反対側…

気がつかれないまま商団が出立していたら…… おそらく骨折による高熱に身動きできずに人生を終わっていただろう

干からびて木乃伊になるか… 生きながら獣に喰われるか… 砂漠とはそういうもの

「運が良いというか… 悪運が強いとでも言おうか…」

持っていた熱冷ましの薬草に、こまめな水分補給と世話をしているムンノが小さく呟いていた…

「ムンノ公… いつまでそのガキに関わるんですか?」

目的のオアシスには半日もあれば辿り着く… 、しかし怪我人の看病をするムンノは一晩たっても動く気配はなかった

「怪我をしている者を置いては行けぬ それに今の状態ではつれても行けぬ… 暫くは動かせないのだからな…」
「ええ! そんなぁ~ 私は次の商談もあるんですよーー オアシスに連れていけばいいじゃないですか!!」

「動かせないと言ったであろう」

ムンノの語気の強さに… 彼が怪我人の目処がつくまで動かないことを悟ったヨムジョンは、なんとも盛大なため息をついたのだった

(まぁ~~ったく、ムンノ公は言い出したら聞かない頑固者だからな… 仕方ない、ここは常識人の俺が折れてやるとするか……)

「分かりました! せいぜい良く看病なすって下さい」

ふて腐れたヨムジョンが商団の方に行き野営の準備をするよう指示しているのを聞きながら…… ムンノの目は天空を見つめていた

「昨晩の星によれば…… この若者は私の求めたものを知っているはず…」

高熱が続く若者だが、寝顔は呑気に昼寝しているように見える

「ふむ… 豪胆なのか、愚かなのか…」

何にしてもこの熱が下がらなければ意識も戻らぬだろう……

「薬を煎じてくるか」

ムンノの星は彼に… どう語ったのだろうか…

幼いときに自分の手から離れた幼子の、それが成長した姿とは……

彼の星も 語ってはくれなかったのだろうか………

しかし、幾年月をへて…… 彼等は再び 出会ったのだった……

*****

「トンマン! 食べなきゃダメだよ!」
「そうだぞトンマン! せっかく砂嵐から助かったのに!」

「砂漠中を探しまわったのはこんなトンマンを見るためじゃないぞ!」

カターンと仲間がドアの外から呼び掛けているのだが… 当のトンマンは寝台の上で膝を抱えて黙って座っている

「トンマン! 食事はドアの外に置いておくからなぁー」

カターンと仲間がドアの外に食事の盆を置いて去っていく…

砂嵐のあと、カターン達に助けられたトンマンだが… 母と兄を亡くした事実が彼女の心を締め付け… 重く塞いでいたのだった

「母さん… 兄さん……」

もう何日もこうしている……

生き残った自分がすべきことは、分かっている…… 分かってはいるが、動けないんだ

「母さん…… 兄さん……」

トンマンのか細い声が、部屋のなかを漂っているような……

薄暗い部屋のなか…… トンマンの心も身体も…… 悲しみの渦に 巻かれているのだった……

「母さん…… 兄さん……」

枯れ果てた瞳から…… ホロリと涙がこぼれ…… 部屋の灯りに煌めいていた……



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  1. 2012.09.14(金) _20:00:00
  2. リレー小説『偽りが変化(か)わるとき』
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