善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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『ごくせん』SS(ヤンクミと沢田)と逆転大奥

今更ながら、逆転大奥の映画を観ました。綱吉と右衛門佐のヤツです(・∀・)
いやー、もう吉保が!オノマチの吉保がめちゃめちゃツボで、最後のシーンで泣きました(つд;)←右衛門佐関連じゃないのか!?
そんなわけで、吉保と綱吉の関係が好きだ~…と余韻に浸っていたら、ふと思い出したのがトンマンとチュンチュで。どうやら、
綱吉→トンマン
吉保→チュンチュ
という感じで私の中では繋がってるようですw
右衛門佐もピダムと繋がりそうではあるんですが、ピダムなら、20年もトンマンが他の男と…なのに我慢し続けるのは有り得ないかなーと…(そもそもトンマンがそういうことをしなそうな気が…)。
なんだか邪すぎる見方ですが(笑)、逆転大奥、映画自体が楽しかったですーv配役がツボで(*´∇`*) 桂昌院と御台所とお伝もめっちゃ似合ってましたvv でも、最後は吉保が右衛門佐を殺して欲しかった…。←コラ。

続きは以前書いた『ごくせん』SSの続編ですー。





* *


「お前さぁ、『沢田』とデキてんの?」

 猛暑も盛りの八月下旬の昼下がり。三週間ぶりに『見張り』を行う元担任に、矢吹は単刀直入に尋ねた。

「ぶっ」

 ある意味予想通りというべきか、聞くなり久美子は真っ赤なかき氷を噴いたが、いち早く察して避けていた矢吹は爽やかな青味の氷を口にしながら「なるほどねー」と頷いた。頷きながら、顔は笑いたいやら不貞腐れたいやら、中途半端な様相を呈している。

「おま、なっ、なんでそんなことを……!」
「単純じゃん。毎週毎週暇なヤマグチクミコせんせーが、急に「今日はまずい」「明日は塞がってる」だの言い出したら、トーゼン疑うっしょ? 「あ、男出来たんだ?」って」
「だからって、なんで沢田なんだよ!?」
「悲しくなるくらい色気のないヤツにわざわざ会いに来るよーな物好き男、滅多にいねぇだろ」

 一先ず暴言激しい元教え子の背を一発叩いてから、久美子はかき氷に負けず劣らず赤くなった顔を冷ますべく、大量に氷を頬張った。
 ちなみに、それを言うなら矢吹も相当な物好きになりかねないのだが、当人としては、別に自分から誘ったわけでもなければアレコレしたいわけではないのだから、沢田とは違うと自負している。というより、そもそも元担任を恋愛対象にする沢田という男の気持ちが矢吹にはよくわからない。いや、相手がもっと色気のある可愛いタイプならわかるのだが……。

(今日も、メガネ、お下げ、デニム、色気のねぇTシャツ……)

 これのどこに色気を感じろというのか。しかも胸もない。
 そんなわけで、矢吹は密かに、

(沢田は頭がオカシイ)

 と結論付けていた。なお、あれから小田切や武田にも沢田のことをメールし、盆休みで会った時には話もしたが、二人ともが沢田を「変人」「変わってる」と評したから、矢吹が少数派なわけではない。よって、矢吹はここのところ心底から抱いていた疑問をぶつけてみることにした。

「なあ。沢田はお前のドコが好きだって言ってんの? 教えてくだパイ」
「知るか! それより、呼び捨てはやめろ。一応先輩だろうが」

 いくらかは馴れたのか、動揺も収まってきたらしい。しかし、悲しいかな彼女は気がついていなかったが、「沢田がヤンクミを好き」ということに関しては全く否定しなかったために、矢吹は一番聞きたかった答えは得ることができた。

(否定しねぇってコトは、告られたっつーコトだよな?)

 全く、沢田はなんという猛者かつ変人なのか。ある意味感心しつつ、矢吹は戦法を変えてみた。

「つーか、沢田は怒んねーの? オレとこうしてて」
「……それだよ、問題は」

 そして、戦法変更はどうやら効いたらしい。ぶっそりとそう呟くと、久美子は矢吹に唐突な契約破棄を突きつけた。――いわく、もう『見張り』はおしまいだ、と。





 時は盆休みに遡る。例に漏れず休暇を満喫するはずだった久美子は、その日、ひんやりするくらい冷房の効いた沢田の部屋にいた。そして、沢田は冷房の風よりさらりと言い放ったのだ。「見張り、やめたら?」と。
 しかし、折悪しくそうめんで頭がいっぱいだった久美子は、それを聞き逃した。

「え? 何をやめろって?」
「見張り」

 言って、沢田がそうめんを啜る間、久美子は暫し思考を要した。見張りと言っても、今は別に抗争中でもなければ、生徒にかけられた濡れ衣もない。いったい何の見張りだ――と首を傾げかけたところで、「あ」と彼女も気がついた。

「矢吹のことか?」
「……」

 無言のままちらりと目を合わせてきたのは、イエスの表現らしい。

「お前、なんでも目で語るなって言ってんだろ……」

 呆れ半分で注意しても、態度は変わらない。今日の沢田は会うなり黙り込み、会話らしきものは全て彼女からぶつけたくらいだ。こうなると、再会した日の多弁ぶりはなんだったんだと元担任としては問い詰めたいが、思えば、二年やそこらで人格が大きく変わるわけもない。あの日の沢田は、沢田なりにいっぱいいっぱいだったのだろう。
 どうせ待っていても喋る見込みはないので、久美子は代わりに喋った。

「うーん……でもなぁ……」

 沢田の無口は問題だが、世間様に迷惑はかからない。だが、矢吹の乱暴さは世間様には大迷惑である。そもそも沢田たちと違って、三学期という本当に短い間しか面倒を見てやれなかっただけに、元担任としては教え子の行く末が気にかかる。

「う~ん……」

 確かに矢吹は大人しくなった。なったのだが、まだどこかしら不安が残るのは、恐らくこれまでに見てきた教え子の誰よりも喧嘩っぱやいからだ。

「矢吹がお前くらい落ち着いたら安心なんだけどなぁ」
「……」

 すでにそうめんを食べ終わった沢田は、悩む彼女を片膝を立てて眺めている。彼もまた、内心では久美子に負けず劣らず悩んでいた。

(ま、はじめから伝わらねぇんだろうなと思ってたけど……)

 それにしても、「見張りをやめろ」と言った彼の気持ちについては全く考慮されず、やめた後の矢吹のコトばかり考える姿を目の当たりにするのはつらい。いや、つらいわけではない。正確には、腹が立つのだ。

(……つーか、こんなニブイ女、どう口説き落とせっつーんだよ)

 一度、鳩尾一発ぐらいは覚悟でキスでもしてみようか。
 思い立ったが吉日とでも言おうか、沢田は早速実行に移した。

「ヤンクミ」
「なんだ?」
「メガネ取って」
「なんかついてるか?」
「そ。取ってやるから、目ぇ閉じて」
「わかった」

 ――自分でやっといてなんだけど、こう素直に従われるのも。
 少しも警戒されていないことを喜ぶべきか悲しむべきか、その判断は後回しにして沢田は膝を進めた。隣に座り、恐る恐る白い頬に手をかける。

(……柔らけぇ)

 考えてみるまでもなく、誰かの頬にこんな風に触れたことはない。ただでさえ煩い心臓が一段と速くなり、躊躇いを押し流していく。

(それで触らしてもらえんなら、一発くらってもいいかな……)

 結局、そんな馬鹿げた思考に蓋をするように、沢田はそうっと近づいた。



 予想通り、一発は来た。来たのだが、それは唇を重ねた瞬間ではなかった。

「――」

 意外にも、久美子はその瞬間、動かなかった……というより、何かわけのわからない感触に違和感を覚えて瞼を上げ、起こっていることを認識する暇もなくその状態で凍りついた。唇が触れてからは目を閉じていた沢田は、それには気がつかなかったが。

(おい……なんだこれ)

 ゆっくり、ゆっくりではあったが、なんとか動く頭で久美子は考えた。いや、されていることはわかる。わかるのだが、何をしたらいいのか、思考が進まない。思うのは、

(沢田、睫多いなー。つか、マスカラしてるみたいだぞオイ)

 なんて暢気なことや、あの沢田がこんなに間近にいるとはという純粋な驚きだ。
 振り返ってみると、白金時代、沢田が自分から近づいてくることなんてほとんどなかった。気がついたら隣に立っていたということはあったが、跳ねた髪を撫で回すのは彼女の役割で、沢田から撫で返された覚えはない。先日、確かに手を繋ぎはしたが、あれも相当な驚きではあった。久し振りの先生に甘えたいんだなぁと受け止められたけれど。
 ――だが、これは。これは、違うのではないだろうか。
 やっとそこまで考えが至った久美子は、折よく……いや、折悪しく一度身体を引いた。しかし、そうするまでに時間がかかり過ぎたのか、それを沢田が追ってくる。再び少しかさついた唇がぶつかってきたので、ついに久美子は強く沢田の胸を押し返した。

「顔についてるゴミはどうした」
「……ないけど」
「お……!」
「つか、嫌じゃないならもう一回してぇんだけど――」

 ――久美子が沢田の鳩尾に一発喰らわせたのは、まさにその言葉が耳に届いただった。

「先公相手にサカってんじゃねえ!」

 ほとんど手加減なしの一発に俯いた沢田から距離を置き、ぐわっと告げる。尤も、距離を置くまでもなく沢田は動けないし、それどころか声も出ない。のだが、そのくせしぶとく睨んでくるのでタチが悪い。しかもその眼が、「それ以上離れるな」と命じている。
 結局、睨み合ったまま沢田の回復と謝罪を待つこと数分。やっと自由を得た沢田の体がまずしたことは、溜め息を吐くことだった。次いで、気だるげに視線を逸らし、また溜め息。

「……おい」
「……何?」
「何じゃねぇだろ!! お前、まずあたしに謝るべきだろ!」
「そのぶん殴られたんだからチャラじゃねぇの?」

 ――ああ言えばこう言いやがる。
 思わずもう一発殴ってやろうかだなんて物騒な考えもよぎったが、不思議なことに、怒りは一瞬で萎んだ。何故なら。

「沢田。お前、何へこんでんだよ」

 減らず口を叩く沢田の横顔が、明らかに不貞腐れていたのだ。

「あのな、殴られたのは自業自得だぞ」
「……そこじゃねぇし」

 へこんでいること自体は否定しないところを見るに、本当に落ち込んでいるらしい。そういう時、ふわふわした髪に手が伸びるのがもはや癖になっているのか、久美子は癖のある黒髪をくしゃくしゃと撫でた。この黒髪は、その主と同じように人を寄せ付けないような外観を持っているが、触れてみれば、やはり持ち主に似て柔らかく他者を受け入れてくれる。沢田慎という人間の本質をそのまま凝縮したようで、愛おしい。

「なーに落ち込んでんだ?」
「……」

 すると、沢田も現金なヤツで、掌から伝わる愛情を糧に復調の兆しを見せた。

「……ヤンクミ、さっき、「先公相手に」っつったろ」
「ん? ああ、そういや言ったな」
「だから、ああ、俺、ヤンクミの中でまだ生徒なんだなって……そう思っただけ」
「……そこか」

 沢田から見れば重大な問題らしいが、久美子からすれば沢田は生涯生徒だ。この先何があろうと、根っこにある関係は先公と生徒、それは変わらない。例え、そこに何かが付随するようになったとしても。

(……いや待て。付随する……のか?)

 久美子が思うに、恋とは稲妻のような衝撃を伴う一目惚れに始まり、灼熱の炎に身を焦がし続けることなのだ。しかし、どこをどう刺激しても、沢田にそのような恋を出来る気がしなかった。そもそも、自分達の間ではもはや一目惚れは永遠に不可能ではないか。

「……ヤンクミさ」
「ん?」

 さて、久美子が恋を云々している一方で、沢田は沢田で気になることがあった。

「さっきさ……なんで、すぐに殴らなかった?」

 これは、非常に重要な質問だった。とはいっても、この問いに対する答えを彼は知っている。知っているというか、この反射神経の塊が反撃するまであれだけの時間を要したのだ。脈があるのは明白だ。明白だと言ってくれ。

(ヤンクミにも、多少はある……よな)

 ――所謂、コイゴコロというヤツが。
 が、やはり現実はそんなに甘くはない。

「……なんでだろうなぁ?」

 焦らしているのでもなく、心底不思議そうに首を傾げたものだから、つい、沢田は複雑な理由から発せられる本日何度目かの嘆息を隠さなかった。複雑な理由とは、どうせろくな返事じゃないだろうという予測が当たったおかげで、自分が恋に盲目ではないことがわかって安堵しつつ失望したのが一つ。もう一つは、悩む彼女を前にして、

(カワイイ……)

 なんてバカバカしいことを思った自分への呆れだ。
 いや、高校時代からなんとなく察してはいた。自分の中にある気持ちが、コイゴコロだけではないことは。そう、敢えて名をつけるなら……。

(……愛玩っつーか……)

 そう。ペットを可愛がる飼い主の気持ち。時折、そのようなものが自分の中に見受けられることがあるのだ。
 勿論、教師としての彼女を尊敬する気持ちもあるし、恋心だってある。だから彼女に甘えもし、どこまで受け容れてもらえるのか試すようなこともしてしまう。けれどもその一方で、信じられないほど鈍感で、こちらの心臓が止まるほど無鉄砲な彼女を前にした時、それに心身共に振り回されながらも、思い通りにならないところを眺めていたい自分もいるのだ。

「沢田、溜め息ばっかついてると幸せが逃げるぞー」
「……」

 そして、彼は気づいた。自覚してしまえば、理不尽な独占欲も正当化出来ることに。

「ヤンクミ」
「ん? なんだ?」

 だから、もうこの際、言ってしまおう。どうせ言ったって、こちらの本心がわかるような女じゃない。

「見張り。ソレ、もう禁止だから」

 ――やっと手懐けたってのに、ヨソで尻尾を振られてたまるかよ。
 あれから随分体も鍛えた。だから、カワイイ野良犬にもう一回くらい殴られたって、きっとどうってことないだろう。……頼むから、今後の為にもどうってことなくあってくれ。
 沢田は自分の体がどうか頑健であることを祈りながら、恋心には鈍感なくせに、彼の威圧的な眼差しは細大漏らさず感知する厄介な女と再び向き合った。




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  1. 2013.12.02(月) _21:00:00
  2. 宝塚とかドラマとか。
  3.  コメント:2
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管理人のみ閲覧できます

  1. 2013/12/15(日) 15:09:11 
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このコメントは管理人のみ閲覧できます

ほっち様

  1. 2013/12/18(水) 18:50:35 
  2. URL 
  3. 緋翠@管理人 
  4. [ 編集 ] 
ほっち様、こんばんは~vv

ほっち様の『仲間由紀恵さん好きです』感覚、わかりますわかりますー!バラエティーに出ている仲間さんは気付いたら必ず見るのに、私もドラマや映画となるとかなり選り好みが…(笑) 映画の『忍』とかは、美しい仲間さんを見たいという理由だけでDVD借りましたし(ノ∀`)

その点、『ごくせん』はドラマ自体が面白くて、おまけに仲間さんも綺麗に撮ってもらえてv 漫画はドラマの後に読んだんですが、漫画は漫画で凄く面白くてハマりました(*´∇`*)(実は、漫画→ドラマの順にヤンクミと沢田のカップルが好きになりました(爆))

『大奥』は実は、友人から勧められて漫画を先に読んだんですが、どうしても絵柄に馴染めなくてリタイアしてしまっていたんです(´・ω・`) なのでドラマも見ていなくて、今回初『大奥』でして…!今となっては、家光も気になります。女性君主の苦悩と愛ってあまり描かれない分野ですし、何より成人した皇女が、中継ぎではなく父の死後に君主になるということ自体が歴史的にも特殊ですよね~!(日本だと孝謙・称徳天皇ぐらいじゃないでしょうか)

『大王の夢』、カットバンバンだからか、皆物凄い回復力ですよね!w

> ユシンがピヒョンの神業で急所にみせかけ死なないよう刺されたってところ

これはマジで神業ですよねw 『善徳女王』でもソクプムがセジョンを急所を外すように刺してましたが、「あっちはお互いにわかった上で短剣を使っているのに…。これじゃソクプムとその技を教えたチルスクがショボいみたいじゃないか!」と爆笑しました。←コラw(というか、ほっち様のナチュラルな「チュンチュ姫」呼びに顔がにやけてしまって仕方ありません!(笑))
ワカメ…もとい、ピヒョンに出来てユシンに出来ないわけがない、ということで、勇気付けられました(*´∀`*) あとは、ユシンの前に刺さった矢とか矢とかを『大王の夢』でぜひフォローしていただきたいです…!←図々しくてすみません(ノ∀`)

> ヨウォンさんの妊娠発表

これは本当にびっくりしました。正直、ヨウォンさんはもう妊娠とか出産はされない方向なのかなーと勝手に思っていたんです。一方で、「ダーク連載版ピダムの乱では必ず妊娠ネタを入れてやるぜ!」という思いは連載を始めた時からあったので(!)、あまりにドンピシャなことになってむしろ落ち着かない自分がいます(笑)
連載のトンマンは…というか、この連載なのでピダムもスンマンも皆これから苦労しますが(申し訳ない…)、ヨウォンさんは楽しい妊娠・育児生活を過ごしていただきたいですvv

ほっち様、嬉しいコメントをありがとうございました!連載、頑張りますvv


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