善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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連載?蕾の開く頃1

やっちまいました。
ええ、書いちゃいましたよ善徳女王IFもの!!別名「トンマンの幸せ隠居生活(ピダムとお仲間付き)」を!

いいのかなあ。
……これ、いいのかなあ。
って言うか善徳女王の感想ブログなら見たことありますけど、創作ブログって見たことないんですが……アリなのか?って言うか韓国ドラマの創作ってあるんですかね……!?(←韓国ドラマ初心者)
えええっと……とりあえずページ作ったりするの面倒なので、このブログで書いていこうかなあと。
本家のドラマを何回も繰り返し見ているわけではないので間違った部分、訳が違う部分、口調が違う部分などあるかと思いますが、困った時は公式ガイドブックを頼りに、あとは直感で(コラ!)書いていこうと思います。

最後に、拍手を下さったもりの様、ありがとうございます!次の記事でまたきちんとお返事致しますーv


***

「これを」

 『もらえるものはもらっておこう』が信条のチュクパンは、差し出された包みを当たり前のように受け取っていた。そうして受け取ってから、包みの中身が気になり始めた。
 ――ピダム公が俺に贈り物を?
 いやいや、それは有り得ないだろう。あのピダムが――トンマン以外の人間はせいぜいが敵とぺんぺん草と塵程度の分類しかしていない(とチュクパンには思われる)ピダムが、幾ら彼の傷をずっと診てきたとは言え、今では天敵チュンチュの配下となっているチュクパンに贈り物を?
 考えて、ぶるぶるとチュクパンは首を横に振った。彼の診たところ、ピダムの脳には何の問題もない。……つまり、ピダムにとっては未だチュクパンは彼の敵方と認識されているはずである。となると、そんなことは有り得ないだろう。
 しかしピダムはどこか切ない瞳でチュクパンが受け取った包みを見ている。チュクパンがそのことに気付いた途端、かつての司量部令時代の冷酷な眼差しに戻ったピダムが鋭く命じた。

「それを花祀堂に置いてこい」
「えっ? 花祀堂……?」
「そうだ」

 花郎ではあったけれども、その花郎であった時期に世俗五戒すら覚えようともしなかったピダムが、花祀堂に何の用があるのだろう。……いや、花祀堂に置くモノと言ったら一つしかないが、まだそれはピダムの物ではないだろう。一体、誰のモノを?

「……サンタクの位牌だ」

 チュクパンの物言いたげな視線に答えるかのように、ピダムは掠れた声で呟いた。哀しみを押し殺しているようでもあった。
 チュクパンは予想だにせぬ名に驚いて顔を上げた。サンタク。郎徒時代から、ずっと口喧嘩をして、それでもどこか親しい仲だった男。龍華香徒の仲間とは違えど、友だった男。
……そして、ピダムの乱が終わる頃に、反乱軍の一員として死んでしまった男。
 だがそれだけでなく、チュクパンはこうも聞いていた。サンタクは、ピダムに付き従っていた最後の一人だったと。射られても尚、ピダムに逃げるよう叫び、彼を守ろうとして死んでいったと。

「私には何の価値もないが……あいつには違ったはずだ」

 部下には何の関心も払ってこなかったピダム。彼の関心はただひたすら、女王一人に向かっていると、誰もがそう思っていた。
 けれどもピダムにとって、サンタクは数少ない一人だった。ピダムを信じて彼に仕え、彼が守りたい、生かしたいと思った、ほんの一握りの存在。
 だからこそ、せめて何かしてやりたかった。これまで何もしてやれなかったからこそ、最後に何か、サンタクの為にしてやりたかった。……思いついたことは、これだけだったが。

「……わかりました」

 じわじわと浮かび上がる微笑と涙を隠すことが出来ないままにチュクパンが顔を上げた。
 冷酷非情で残忍な司量部令だったピダム。そんな彼一人に身体の弱っているトンマンを任せることに対する不安が身体の奥底から流れ出るのを感じて、ますますチュクパンの皺だらけの顔に笑みが広がっていった。
 大丈夫。今のピダムになら……任せられる。
 ――ところがくるりとピダムに背を向けて徐羅伐に足取りを移したチュクパンは、次の瞬間、背後から飛んできたおどけた声に先程消え去ったはずの不安がぶり返すのを感じた。

「ちっちゃなチュンチュに伝えろ。もしまた要らざる『気遣い』を寄越したら、倍返ししてやるってな」

 ……訂正。
 こんな図体と年ばかり増した『子供』の世話が、果たして今のトンマンに可能だろうか。

「あ、あの、私は……『気遣い』に入ってるんですか……ね?」

 ピダムと一つ屋根の下で暮らすのは背筋が凍る思いだが、それでもトンマンの身が案じられる。アルチョンからも、「くれぐれも陛下の御身を細やかにお守りしろ」と命じられているが、命じられなくとも、チュクパンにとってトンマンは可愛い可愛い弟分だ……いや、妹分…………いや、主だ。
 チュクパンの問いかけにピダムはにこにこと愛嬌のある笑顔を浮かべて手を挙げると、その手をひらひらと振った。……チュクパンの目が正しければ、あれは「去れ」の手振りだった。

「当然」

 結局、「これでお別れだな。それは必ず花祀堂に置いて来い。陛下のことは私に任せろ」とチュクパン自身を思い遣る言葉も治療に対するお礼もないままに、ピダムはチュクパンを送り出した。

 徐羅伐への道すがら、チュクパンはピダムの前では到底吐き出せなかった溜め息を何十回も漏らした。
 これでも、ピダムのことも精魂込めて治療したのに。……それは勿論、ピダム自身の為と言うより、病身を押してピダムの看病をしようとするトンマンの為、ではあった。そうではあったけれども。それでも、必死で治療したのだ。
 ぶつぶつ文句を繰り出しながら歩みを進めていたチュクパンは、ふと懐に違和感を感じてピダムから渡された包みを取り出した。
 一見すると、ただの包みだ。が、チュクパンの長年の勘が告げていた。――これには、金目のものが入っている!!
 あたふたと包みを広げて、チュクパンはにんまりと笑った。再び包みを懐に仕舞いこんだチュクパンの顔には、雪崩を打ったように笑みが押し寄せている。

「へへっ……ピダム公、ピダム公はやっぱり陛下に相応しい御方です」

***

 チュクパンにサンタクの位牌と、治療費として金塊を渡したピダムは、駆けるように家まで戻った。しかしいざ家を見ると、喉の奥から込み上げる想いが押さえきれないほどにあって、暫くその入り口にじっと佇んで深呼吸を繰り返した。
 ――やっと。やっと、長年夢見てきたことが現になろうとしている。
 トンマンを妻にして、彼女と二人で暮らすこと。それはピダムの夢の根幹だった。全ての野望も、野心も、その夢から生まれたものだった。
 震える手を握って震えを殺してからピダムはゆっくりと戸に手を伸ばした。
 この戸を開ければ、夢が叶う。愛する人と暮らす、青い夢が。
 今すぐにでも胸を破って飛び出しそうな鼓動に耐え切れず、一息に戸を開けようとピダムが手に力を入れたその時。がたっと戸が開いて、茶色い瞳がぴょこんと彼の視界に飛び込んできた。

「ピダム、どうかしたのか?」

 中から戸を開けたトンマンは、目を丸く見開いて彼女を見詰めるピダムの視線に悪戯を見つけられた子供のように落ち着かなくなった。事実、いつピダムが帰ってくるかと戸の前で待ち伏せしていたなんて、恥ずかしくて言えたものではない。

「物音がしたのに入ってこないから、どうしたのかと――」

 そんなトンマンがもじもじと口を開いた時、最後まで言い終えるのを待てないかのようにピダムの腕が一息に彼女を包み込んだ。
 ……指輪を分け合ったあの日以来、一度もなかった抱擁。懐かしいピダムの懐に抱かれたトンマンは、暖かさを噛みしめるように瞼を閉じて彼の背に腕を回した。まだ春先の外は冷えるのに、不思議と寒くなかった。
 身体は大きいのに子供のようにしがみ付くピダムの背を二、三度軽く叩いて、トンマンはどうしても彼に言いたかった言葉をその耳元で届けた。

「……おかえり、ピダム」

 落ち着いたトンマンの声に、緊張の為か強張っていたピダムの身体から力が抜けていった。
 ――おかえり。
 それは、一度だって言われたことのなかった言葉。でも、ずっとムンノに言って欲しかった言葉。
 ……どうしてトンマンは、彼の欲しいものを彼が言う前にわかってくれるのだろう? まるでなんでもないことのように、こうやって与えてくれるのだろう?

「…………ただいま」
「ああ」

 涙ぐみながら囁き返したピダムにからりと応じたトンマンが、ゆっくりと彼の懐から抜け出してその手を引っ張った。

「中に入ろう。外はまだ寒い」

 その、寒さの為か気恥ずかしさの為か赤く染まった頬に、いつの間にかピダムは手を伸ばしていた。体温の高いピダムの手は、ずっと家の中にいたはずのトンマンの手よりも温い。

「ピダム?」

 さらにぎゅっと強く手を握り返されて振り返ったトンマンは、今度は近付いてくる黒い瞳に驚いて双眸を瞠った。けれどもやがてその丸い瞳が少しずつ閉じられていくと同時に、繋ぎあった掌からだけでなく、触れ合った唇からも温もりが広がっていった。
 少し前に彼女を逃すまいと抱いた腕の力からは考えられないほど、ピダムの唇は柔らかくトンマンの唇を覆っている。少しでも動けば離れてしまいそうなほどに儚い口付けだった。
 それでも、そのまま時が止まったかのように二つの影は離れなかった。

***

 幸せな記憶を甦らせたピダムは、むくむくと湧き上がる笑みを堪えきれず、へに、と笑み崩れていた。
 トンマンの唇は、想像していたよりもずっと――それこそ羽毛よりも柔らかく、よく煮込んだ鳥肉よりも美味しく、どんな菓子よりも甘く、どんな泉よりも清らかだった。唇が触れ合ったあの瞬間、ピダムは間違いなく自分はこの世のどんなものよりも貴く、美しいものを手にしたのだと確信した。
 ああ、どうしよう。つい先刻したばかりだけれども、もう一度したいと言ったら怒られるだろうか。

「お前達どう思う」

 あまりの幸福感の為か、大盤振る舞いした餌に飛びついてくる鶏の群れに話しかけ、ピダムはにゅっと手を伸ばした。その手が捕らえたのは一番最初に餌に群がってきた鶏で、その食欲がそのまま肉付きに繋がっている雄鶏だった。

「ようく育ったな」

 ――これなら、陛下の御口にも合うだろう。
 またしてもその『陛下の御口』の味を思い出して相好を崩しながら、ピダムはすらりと剣を抜き払った。

「早く陛下にお元気になって頂く為にも、肉を食べて頂かないと!」

 だからお前達。どんどん卵を産んで、どんどん育って、どんどん太れ。それでこそ、陛下の御為になる。ピダムとトンマンの幸せに繋がる。
 ……子供のように溌剌とした笑顔のピダムがひゅっと剣を振った次の瞬間、哀れ、今夜の食卓の主菜に選ばれた鶏の命は羽毛よりも軽く散ったのだった。

***

 ちょうどその頃、湯に浸かっていたトンマンはいよいよ今日からはピダムと二人きりだと言う事実を思い起こすたびに跳ねる心臓を誤魔化すように、ぱちゃん、ぱちゃんとわざと湯で遊んでいた。
 ――まさか、ピダムがここまで回復するとは思わなかった。
 スンマンに譲位した後に急ぎ駆けつけた復耶会の砦で目にした、真っ青な顔でぐったりと横になってか細く呼吸するピダムの姿を思い出し、ぶるっとトンマンの背筋が震えた。
 それと同時に、胸が引き攣れるように痛くなり、息苦しさに身体中の力が抜けていく。トンマンの病は女王だった頃に比べるとかなり良くなってはいたが、それでもピダムのその姿が脳裏に浮かぶたびにかつての苦痛がトンマンを苛んだ。
 大丈夫。大丈夫、ピダムは生きている。
 そう何度言い聞かせても、一度味わった恐怖は簡単には消え去らなかった。
 血の涙を流しながらもトンマンに手を伸ばし、彼女の名を呼んで息絶えたピダム。その光景を、きっと彼女は一生忘れないだろう。きっと一生、その記憶に苛まれるだろう。
 けれどもそれと同時に、トンマンの決心は一層強くなっていくのだ。ピダムと、彼とささやかな幸せの詰まった余生を過ごす……その夢を、絶対に叶えてみせると。その夢を、諦めないと。
 瞼を上げたトンマンは、ふっと天井を見上げて、木が剥き出しになったそれに湯気が吸い込まれていく様を目で追った。……追って、改めて慣れぬ事態を平常心で迎えようと呟いた。

「……今日からは、他に誰もいない」

 今日一日、チュンチュやユシン、アルチョン、スンマンらに手紙を書いて、それを託したチュクパンと別れを惜しんで、止めようとするピダムを払い除けて二人分の服を片付けて……ピダムと抱きしめあって。
 慣れぬことに目まぐるしく一日が暮れていったのですっかり失念していたが、今夜、間違いなくこの家にはトンマンとピダムの二人しかいなかった。侍従も女官も、侍衛府の兵も……もっと言うなら、夜毎彼女を警護していたアルチョンも、ここにはいない。ピダムは、彼らの役割は全部自分がやると宣言して徐羅伐へチュクパンを返したのだ。誰か他の人間がいるはずもなかった。
 いや、そもそもは国婚をしようとした仲で……つまりは夫婦になるつもりだったのだし、今更何を警戒することもない。そうだ、ピダムと二人きりでいて、何か問題があるだろうか。いや、ない。ない、はずだ。多分。
 それよりも、せっかく普通の夫婦と同じ生活を(と言うには語弊があるが)することになったのだ。これまでは女王と言う立場上出来なかったが、こうして野に下ったのだから、夫となったピダムに、妻らしく、家族らしく、色々なことをしてあげよう。ソファと暮らしていた頃のように、繕い物をしたり、布団を敷いたり、洗い物をしたり、ご飯を作ったり…………ご飯?

「あっ!」

 しまった! そのご飯は、すでにピダムが用意し始めているではないか!
 あたふたと湯船の中で焦ったその時、窓の外から覚えのある足音がとんでもない速さで近付いてきた。

「陛下! 如何なさいました?」

 台所と浴室はそれなりに離れているはずなのに、どれだけ地獄耳なのか、風のように飛んできたピダムの声を聞いて、危うく湯船から飛び出しそうになっていたトンマンはぼちゃっと湯の中に沈んだ。


******

韓国語に「おかえり」とか「ただいま」ってあるのかな……。
海外ものは文化の違いがあるのでそこら辺の按配がかなり滅茶苦茶になりがちですみません(いや、三国志で嘘八百をすでに書いてますけど…)(…)
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  1. 2010.04.17(土) _11:54:35
  2. 隠居連載『蕾の開く頃』
  3.  コメント:4
  4. [ edit ]

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comment

はじめまして☆

  1. 2011/08/27(土) 15:30:03 
  2. URL 
  3. あき 
  4. [ 編集 ] 
 初めてコメントさせて頂きます。京都在住のあきです!
関西ローカル局で善徳が最終回をむかえ、放心状態のときこの二次創作に出会いました。
すごく癒されました。これからも楽しみにしてます!

あき様へ

  1. 2011/08/28(日) 21:55:25 
  2. URL 
  3. 緋翠@管理人 
  4. [ 編集 ] 
あき様、はじめまして!管理人の緋翠と申します。

最終回ショック、私も経験者なので、お気持ちよくわかります…!最終回ショック治療所へようこそ!(←すみません、そんな大したところではないですw)
あき様のご覧になったものがどうかはわからないのですが、カットバンバン版より、完全版の方が断然見応えがありますので、もし余力がございましたらどうぞー(笑)

応援ありがとうございます、頑張りますv

緋翠さまへ

  1. 2011/08/29(月) 16:50:42 
  2. URL 
  3. あき 
  4. [ 編集 ] 
初めてのコメントにお返事頂いて、ありがとうございます!
(*^o^*)
私はブログ見るのもこういうやりとりをするのも初心者なのですが、もっと言うと韓ドラにハマったのも今年に入ってからなんです。
それまで仕事や育児で忙しくてドラマをゆっくり見る余裕もなくて。
昨年人生最大のピンチ(勤め先の倒産&二ヶ月の病気入院)を癒してくれたのが、韓ドラでした。
そんなこんなで善徳にハマり、見落としてたストーリーや時代背景調べてたら二次創作に、このブログに出会ったというわけなんです!
こちらの『最終回ショック治療所』は本当に名医揃いです!(リレー連載って複数の方がアップされてるんですよね?)
かなり昔の内容に拍手がきてるなって思われたら、多分私です!ヒマを見付けては携帯覗いてます!
リハビリのつもりが新たな病気にかかってます。重病です!!

あき様へ

  1. 2011/08/30(火) 18:05:00 
  2. URL 
  3. 緋翠@管理人 
  4. [ 編集 ] 
あき様、こんばんはーv
こちらこそ、お返事ありがとうございます!

私も韓ドラを見ているのはここ2年弱です。初心者ではなくなったような気もしますが(笑)、まだ全話見たのは善徳女王だけなので、プロとも言い難いですねーw

って、お身体は大丈夫ですか…!?2ヶ月の入院なんて大事件ではありませんかっ…(汗)
幾ばくかなりともあき様の助けになれて、良かったですー!(実は私も善徳女王には私もかなり癒されています。笑)

そうですそうです、リレー連載は現在はsaki様と私で連載しています。リンク先には、私よりもっと凄い先生方もいらっしゃいますので、良かったらそちらへもどうぞ~v
昔の内容は恥ずかしい限りですが、あき様の新たな中毒になれるよう…もといw、リハビリのお役に立てるよう祈っております!重病になって頂けたら幸せですが、そんなことは……うお、葛藤します…!!(笑)


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