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善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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SS スンマン(+アルチョン)

スンマン時代の上大等アルチョンです。設定は『蕾~』と同じで。
結局スンマンは本編には出てきませんでしたが、小説版には登場人物紹介の欄にスンマンもいるんですよね。出てくるのかな?
小説版を昨日図書館で借りたのですが、少しずつ設定が本編とは違っていて面白そうです。じっくり読もう。


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 新しい女王は、王家の血筋らしく美貌ではあったけれども、時折アルチョンですら驚くほど凛々しく見える瞬間が数多あった。
 唐で育ったと言う経歴がそうさせるのだろうか。慈城法師と共に密かに帰国して以来、最後の聖骨である為に政争に巻き込まれ、命を狙われることを恐れたトンマンによって寺で暮らしていたスンマンは、男装して育ったトンマンともまた違う不思議な気を纏っている。
 郎徒時代を知っているからこその思い込みかもしれない。けれどもアルチョンが見るに、トンマンはいつもどこか張り詰めていた。一人で立ち続けること、誰にも頼らず、誰とも軽口さえ叩けず、重い金冠を頂いて玉座に在り続けること。それは、トンマンにとっては「耐える」ことだった。アルチョンがチョンミョンを守りきれず、自刃しようとしたまさにその時にトンマンが彼に告げたように、トンマンにとって王として生きることは、ひたすらに耐え続けることを意味していた。
 アルチョンには、時にそれが痛ましかった。まだユシンもいて、家族もいるアルチョンには許される安らぎすら、女王になったトンマンにはないように思われたから。
 今頃、あの無鉄砲な郎徒だった女王は、少しでも彼女らしさを取り戻しているだろうか。アルチョン郎、と臆すことなく反駁し、自ら矢面に立つあの勇ましい姿が瞼の裏に蘇り、自然とアルチョンは瞼を下ろしていた。

「上大等?」

 カッとアルチョンの瞼が上がった。
 なんだろう。今、今、今! 今、何か……夢……と思しきものを……それも、陛下の御前で、白昼夢を!!
 なんてことだ。幾ら戦場から退いて久しいとは言え、なんと言う気の緩み。たるんでいる。年か。いやバカな。ユシンは未だ戦場を駆け回っているではないか。ピダムやトンマンは婚姻までしようと言う年齢だ。一人老け込んでどうする。白髪も生えてきたけれど。……いや、そんなことは関係がない!
 真一文字に唇を引き結んで恥辱と雪辱に燃えるアルチョンをちらっと横目で見ながら、スンマンもまた、今は会うことも叶わない従姉妹に思いを馳せた。
 ――陛下。こんな、面白い……いえ、可愛げのある…………いえいえ、実直で、執務に忠実な上大等を残して下さって、ありがとうございます。
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  1. 2010.04.18(日) _15:23:26
  2. 隠居連載『蕾の開く頃』
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