善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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SS 『公主様』

今日は善徳女王の日ですね!
トンマン公主はどんな装束を着てくれるのかなーv

復耶会にて。

続きにしまってあるSSは、27話頃……の、ピダムがイカサマ占い師みたいなのになる寸前の、トンマンとアルチョンとピダムのやりとりです。と言うか、チョンミョンやユシンとのことでまだ精神的にキツいトンマンを、それぞれの方法で気遣うアルチョンとピダム……と言った方が正しいかもしれません。


***


「なあなあ」
「……」

 アルチョンは謹厳だ。チョンミョン亡き後、トンマンに仕えることを決めた彼は、今度こそ花郎の主を守り抜こうと一時たりともトンマンの警護を疎かにはしなかった。ここ、復耶会の砦に身を潜めてからも。
 しかしそのアルチョンに、事あるごとに邪魔をする存在がいる。トンマンが拾ってきた(と、アルチョンは認識している)市井の男・ピダムだ。

「トンマンってさ、なんで男装してたんだ?」
「公主様と呼べと言っている!」
「だーかーら、俺はその公主サマに許されてるんだって! なあそれより、なんでトンマンは男装してたんだ? 郎徒になってたのは? なんで?」

 トンマンの居室の前に立ち、門番をしているアルチョンの周りをちょこまか動き回っては、ピダムは質問をぶつけてくる。それも、アルチョンには全く興味のない質問を。

「公主様には公主様のお考えがある」
「そりゃそーだけど。でも、気になるだろ」
「気にならん」

 私はあの御方に忠誠を誓った。ならば、常にあの御方を信じ、従うのみだ。
 きっぱりとそう宣言したアルチョンに、ピダムは思いっきり顔を歪めて、ぼりぼりと首を掻いた。何言ってんだコイツ、とありありとその顔には書いてあったが、アルチョンは構わずその凛々しい双眸でピダムを睨みつけた。

「お前も公主様に忠誠を誓ったのだろう。ならば無駄口を叩かず、仰せに従え」
「やだよ。第一、俺はアイツに忠誠なんて誓ってない」

 ただ、面白そうだから。そして、カワイソウだから。……トンマンが、カワイソウだから。だから、ここにいる。

「大体、公主だからなんだってんだ? 着てるものだって俺達と変わんないじゃないか。ちょっと背はデカいけど」
「こいつめ……!!」
「いって! 叩くなって! それに、背はデカいけど、あいつ折れそうに細いし、ひ弱だし……」
「――ピダム」
「なに?」

 でもすっごい触り心地良さそう、と続ようとしていたピダムは、中から出てきたトンマンへと瞬時に跳ねた。

「……!」

 おかげで再びピダムを殴ろうとしていたアルチョンは臍を噛むこととなったが、彼が誠心誠意お守りしている『公主様』は、どう言うわけだか、へへっとだらしなく笑う無礼者に向かって笑みを浮かべている。何故だ。こんな奴がお傍にいては、示しがつかないのに。

「ついて来てくれ」
「わかった」

 ついて来いでいいんです公主様、ついて来てくれなんて頼まなくていいんです、とアルチョンはトンマンにもお説教したかったが、生憎と先手を打ったのはトンマンだった。

「アルチョン郎は、ユシン郎を呼んで来て下さい。すぐに戻ってきます」
「私は公主様の警護を」
「いいえ、ピダムがいるので大丈夫です」
「そーそー、『公主様の仰せに従え』よ」

 にやにや笑うピダムを最後にもう一度睨みつけてから、アルチョンは踵を返した。無礼な。全く、無礼な奴。腕が立つことは、認めるけれど。……奴のおかげで公主様が笑うようになったのも、わかっているけれど。

「行こう」
「ん」

 同じくトンマンに従って歩き出したピダムは、突然ひょっこりトンマンの前に立つと、腕組みして彼女を上から下まで舐めるように眺めた。

「……なんだ?」
「いや。さっきああ言ったけど、お前、公主様に見えるよ」
「…………何?」
「前に、着たろ、公主の服」

 どうやら、チョンミョンが持って来てくれた服のことを言っているらしい。それと同時にチョンミョンのことを思い出してトンマンの瞳が翳るのを見逃さず、ピダムは白い歯を見せて破顔一笑した。

「俺さ、お前がああ言うのを着てるところ、また見たい」

 覗き込むように顔を近付けてくるピダムから一歩引いて、トンマンはふっと笑った。

「だから、公主になれって?」
「そう」

 トンマンを公主に、と思う者達にはそれぞれ、思惑があるだろう。
 ……けれども、こんなに不純な動機で彼女を公主にしたがる者は、他にいないかもしれない。

「じゃあ、公主になったらお前に見せてやる。着飾ったところを。……似合うかどうかは、保証しないけどな」
「似合わなかったら、また今みたいなの着ればいいだろ」
「そう言うわけにはいかない。公主だからな、ああ言う格好が似合うようにならないといけない」
「ふーん?」

 だったら、公主なんてやめればいいじゃないか。俺が、やめさせてやるよ――。
 ……そう心の中でほくそ笑んで、その一方でそんなことを考えた自分を不思議に思いつつ、ピダムは再び歩き出したトンマンの後ろをひょこひょこ付いて行った。


****
ユシンは可哀想過ぎて出せませんでした(笑) と言うか、ユシンが難しい。意外と書けない。重いんですよね…(言っちゃった!)
そしてピダムはマジでトンマン(と時々ムンノ)のこと以外ドーデモイイ感じがします(笑)あ、この時期のピダムには、個人的なイメージからカタカナを多用しています。

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  1. 2010.05.20(木) _12:07:37
  2. SS(ドラマ準拠)
  3.  コメント:2
  4. [ edit ]

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comment

  1. 2014/06/09(月) 22:22:09 
  2. URL 
  3. なな 
  4. [ 編集 ] 
お久しぶりです。そして、いつの間にか200万打になっていました。
おめでとうございます。
更新はなくても、こうして前のお話を楽しませて頂いて、何年たっても、すぐに善徳ワールドに浸れるのは、緋翠さまが書き続けて下さっているからで、本当に感謝の言葉しかありません。このSSも、ドラマの中ではでてこなかったけれど、絶対、アルチョンもピダムもそう思ってただろうと思いますし、何度最終回をみ
て涙を流しても、いや、この後ふたりは、ちゃんと幸せになるんだと思えるお話があるという事。
緋翠さまが最終回をみたあと、幸せなふたりを見たくて二次創作をさがし、ないなら自分がと思ったと書いてらしたのですが、その何ヶ月後かに、同じように
思ってこちらにたどり着き、その後、ずっと、幸せにしていただいてます。
これからも、ハラハラドキドキなふたりや、ラブラブなふたり、また、周りの愛すべき人たちのお話、無理せず緋翠さまも楽しみながら書いていただいたらうれしいです。

なな様へ

  1. 2014/07/21(月) 00:36:10 
  2. URL 
  3. 緋翠@管理人 
  4. [ 編集 ] 
なな様、こんばんは~!お久し振りです!今回は私のお返事が本当に遅くなってしまってすみませんでした…!
そして、200万打をさらっと放置していました(笑) お祝いありがとうございます~vv

この『公主様』、とても懐かしいです。最初は吹き替えやポニーさんの字幕に合わせて『王女様』というタイトルでしたし、それを変えたことといい、歴史というとおこがましいですが、自分の中の善徳に対するこだわりや変遷を感じます。また、そんなわがままな文章に付き合ってくださる方がいて、こうしてなな様のように祝ってくださる方がいらっしゃることに、胸が温かくなっています。
「二次創作がないなら自分が」というのも、今思えば本当におこがましいというか、「なぜそこで一人で完結するという選択肢を考えなかった」と思ったりもします(笑) でも、そこでいけしゃあしゃあとブログで二次創作を公開したからこそ色んな出会いがあって、4年も経っているのに私の中で特別なところに善徳女王がいるのも、きっとこうしてなな様達と楽しめるからだと思うと、これからもドラマだけでなく、このブログも大事にしていきたいと強く感じています。

というわけで、とりあえずの目標は、無理せず(笑)、何かしらの善徳愛を発信し続けたいと思います!


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