善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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リレー連載『偽りが変化(か)わるとき ~砂漠編』  by 緋翠

リレー小説第十話ー!! 今回は管理人緋翠のターンです。

おおお、十話まで来ましたねー。感慨深いですv
しかし、なかなか進まないですね(笑) でもこの雰囲気が好きなので、出来るだけ大切に書いていきたいです。引き続き一緒に連載してくれる方も募集中です。(さり気なく宣伝)

ただいま韓ドラは善徳女王、イルジメ、イ・サン、キム・スロと見ているのですが、どうも善徳女王以外は脱落気味です。それぞれとても好きなポイントもあるんですが、我慢出来ないポイントもw
ただ、あれこれネタになったり勉強になる部分も多いので、出来る限り見続けたいですねー。トンマンで創作している限りは!(笑)


* * *


「ぶえっくしょ!!」

 その頃、ソファのおかげでかなり持ち前の図太さを取り戻していたピダムは、オアシスの入り口にある門に上って、遙か砂漠に目を凝らしていた。ちなみに、道行くオアシスの人々が「またか」とニヤニヤ笑っていることには、全く気付いていないようだ。

「……トンマンが、健気なお兄様のことでも思い出したかな」

 そして、いつも通りの妹を溺愛する姿勢も取り戻したらしい。頭の中で膨らみ続ける不安と「トンマンに何かあったのではないか」と言う危機感を他所へと押し退け、ピダムは落ち着きのない様子でうろうろと門の上を歩き回っていた。その足元には、彼の小腹を満たしてお役御免となった鳥の骨が落ちている。

「あいつ……夕方までには帰って来るって言ったくせに、どこまで行ったんだよ」

 いくら西の空にほんの少しだけ赤い筋が見えるようになったとは言え、夕方と言うにはまだ高い位置にある陽を睨みつけてピダムは呻いた。――どうやら、捜しに行くべきか、それともここで待つべきか、悩んでいるようだ。





「兄さん? うん、いるよ!」

 チルスクの問いかけに振り返ると、トンマンはにこにこ笑って頷いた。

「それがねー、その兄さんって」

 賑やかな彼女は、一度喋り始めるとなかなか止まらない。黙っていられるところや相手の話をしっかり聞くところを見るに、それなりに賢いことはわかるけれども。

「何でも出来るし、そこは自慢なんだ。でも、ちょっと色々と小うるさいところがあって。今日もね、夕方までには帰って来いって言われてて……」

 ――夕方?
 顔を上げて空の色を確認したチルスクは、思わず目を細めた。

「……間に合うのか?」
「えへへ……無理かなあ、やっぱり」

 トンマンは困った困ったと可愛い前歯を見せて苦笑いした。
 しかし、どうやら兄を恐れているわけではないらしい。トンマンの顔には焦りはあっても、恐怖による緊張感は欠片もなかった。兄さんとやらは妹を支配しているわけではなく、単に過保護な性格をしているだけのようだ。

「まあ、大丈夫だよ! 真夜中ってことはないだろうし。それにね……あ!」

 そこできらりと瞳を輝かせると、トンマンは持っていた棒で枯れ木に絡みついていた蛇をあっさり捕まえてみせた。

「…………」

 逞しい子供だ、とチルスクが黙然としていると、蛇はお小遣いになるの、と嬉しそうに捕まえた蛇を皮袋に仕舞い込んでいる。再び何事もなかったかのように歩き出す少女が、先程より一回り大きくチルスクには感じられた。

「えーっと、何の話をしてたんだっけ? あ、そうだ! それにね、あたし夜道の方が早く進めるんだ! だからおじさん、心配しなくていいよ」
「何……?」

 夜道と言えば、暗い為に足元が覚束なくなる上に、道がわからなくなって迷うのが常だ。砂漠であれば、尚更のはず。
 ところがトンマンは驚かれることには慣れているのか、自慢気に語り始めた。どうやらこれも、彼女なりの宣伝文句の一つらしく、流暢なだけでなく、どことなく芝居がかっている。

「夜になって星が見えるようになるとさ、こっちが北だーってわかるの。小さい頃から、星の位置が頭に入ってるみたい。だから、おじさん安心してついて来て!」

 その、薄闇を明るくする笑顔が眩しくて、チルスクは僅かに目を細めた。……何か、不思議な高揚がじわじわと爪先から立ち上ってきていた。
 ――この子供のせいか? それとも、ローマがまた近付いたと言う実感が湧いたからか?
 どちらでも良いことだ、とチルスクはゆっくりと息を吐いた。トンマンの言葉通り、間もなく砂の向こうに星屑を散りばめたような光の渦――暗闇の中、そこだけが煌々と明るく、不夜城の如きオアシスが見えて、チルスクの瞳はそちらに奪われた。





「おじさん、着いたよ! ここが――」

 トンマンは見事客引きに成功したと言う安心感からか、すっかり油断していた。

「遅いっ!!!」
「きゃあっ!」

 おかげで、ピダムが門の上から飛び降りて目の前に立った瞬間、まるでおばけでも現れたかのようにトンマンは驚愕して跳ねた。転ばなかったのは、偏に、そう簡単には倒れない駱駝の手綱を握っていたからだ。
 それでもすぐさま自分を驚かせたのが兄とわかると、胸に手を当てて大きく嘆息した。

「ああ、なんだ、兄さんじゃない。吃驚したあ」
「何が、「ああ、なんだ」だ!! 日が中天を過ぎたら戻る約束だろ!? どこまで行ってたんだよ!」

 お決まりのお説教を始めながら、ピダムは妹の手から駱駝の手綱を奪い取った。砂だらけになっている帽子を払ってやりつつも、文句は止まらない。

「ったく、母さんも心配してるぞきっと!! ほら、荷物持ってやる!」
「ごめんごめん。あ、ありがと兄さん! あのねー」
「腹減っただろ、さっさと帰って飯食うぞ。ったく、次はもう俺が行くからな。トンマン、お前は金輪際客引き禁止だ!」
「兄さん、怒らないでよ。あ、ほら、旅をしてるおじさんを案内してきたから!」
「おじさん?」

 そこでようやくトンマンの背後に佇んでいる大木のような男に目を留めたピダムは、上から下まで男を眺めて、抑揚のない口調で「へー」と頷き、喋り始めた。本人は笑っているつもりらしいが、柔らかい口元とは対照的に、目は全く笑っていない。

「よう、いらっしゃい。今夜の宿は決まってるのか?」

 この台詞と言い、先程この少年が発した「客引き」と言う単語と言い、まさか……とチルスクが少年少女の正体に感づいたその時、手ぶらになったトンマンがチルスクの袖を引いて、とある二階建ての宿を指差した。

「お客さん、いらっしゃい!! うちにはローマから来た商団も泊まってるし、あたしがその人達におじさんのこと交渉してあげるから、お買い得だよー」
「一泊二食、個室でたったこんだけ! おまけに女将の料理は最高に美味い! おっさん、運がいいなあ」
「……」
「さー行こ行こ!」

 妙に親切だと思ったら、そう言うことだったのか――。
 まるで双子のように調子良く彼を引っ張る子供二人の強かさに呆れつつも、チルスクは特に抗う理由も見出せずに二人について行った。
 道中、客の前だと言うことをわかっているのか、ぎゃあぎゃあと次の客引きはどうだのいつから店の手伝いをサボってあそこにいたんだだのと喧嘩を続ける兄妹は、どうやらこのオアシスでは相当有名らしい。すれ違う者達のほとんどと挨拶しながら宿へと向かう二人を見て、とりあえずこの二人の伝で仕事は見つかりそうだ、とチルスクはこっそり安堵した。





 辿り着いた宿の店先では、琥珀色の行灯が酒を酌み交わす諸国の商人達をぼんやりと光らせていた。まるで、絵物語にでも出てきそうな光景である。鶏林でも、隋でも異国の者とは会ったことのあるチルスクだが、ここまで多くの西域人は目にしたことがない。思わず固まっていると、もう一度トンマンが袖を引いた。

「おじさん、こっちこっち!」
「……ああ」
「なんだよ。この程度で驚いてたら、ローマに行ったら卒倒しちまうぞ、おっさん」
「兄さん!」

 その時、お客様相手になんて口利くのよ、と兄を制す妹を見て、傍にいた栗色の髪の男が高らかに笑った。

「おートンマン、戻ったんだな! 良かったなあ、ピダムがそりゃあ心配してたぞお。愛されてるなあー」

 たどたどしい鶏林語で笑うと、その男はまた酒を煽った。

「おじさん、飲み過ぎると身体に悪いよ!!」
「いいんだよ、どーせ朝から飲兵衛なんだ。酔ってた方がまだマシさ」
「もう、兄さん!」

 オアシスの入り口の門を潜る前も賑やかな少女ではあったが、兄さんと呼ぶ男と合流してからさらに賑やかになった少女達の会話に到底入り込めないチルスクは、あれこれ言いたいことはあったものの、とりあえず我慢した。……紹介すると言った以上、紹介してくれるだろう。

「母さん、ただいまー!」
「母さん、戻ったぜー」
「きゃあっ!」

 酔っ払い達に絡まれなかなか入れなかった三人がやっと宿の中に入ったその時、覚えのない刺激臭と共に、誰かの悲鳴がチルスクへと届いた。どこかで耳にしたような……何か心に引っ掛かるもののある、声だった。
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  1. 2010.11.06(土) _20:50:03
  2. リレー小説『偽りが変化(か)わるとき』
  3.  コメント:2
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幸せ家族妄想

  1. 2010/11/06(土) 22:31:30 
  2. URL 
  3. 黒猫4.3kg 
  4. [ 編集 ] 
この連載と隠居後連載見てると、トンマン(ピダム込み)の幸せが泣けてきます。ささやかだけど大きな幸せなんだよ~なんでかなえてくれなかったの~スタッフ~てな感じです。
最近は何見ても善徳妄想につながるんで、BSで入ってる「ソル薬局の息子たち」みながらトンマンも子だくさんで、たとえば息子ばっかりでその息子たちがいつまでも結婚しないで困ってるとか、そんな未来があっても良かったんじゃないかとか。ピダムとの子供なら初期スペックはものすごく高そうなのにそれぞれがやっぱり一筋縄でいかない子供たち。マザコンってわけじゃないけど「オンマ~」って言いながら夕飯時になると必ず帰ってくる息子たち、とかね。昔懐かしなホームコメディドラマみながらそんな妄想繰り広げてますよ。全く本編無視ですよ(笑)

あ、このドラマにホン・グギョンが出てた!すっごいもさくてダサくてのっぺりしてる役で!ええ~ホン・グギョンってシュッとしてると思ってたけど、こんなにもさもさしてる役も出来るのか!身体は見事にたるたるでした(笑)結構好きだわvって思ってしまいました。

善徳妄想で「千秋太后」見ても・・・。太后の情夫が今まで苦楽を共にして子供まで作るんだけど反乱を起こして「太后とともにずっといたいのだ」とかぬかすんですが。それみて「ピダム、やっぱり反乱起こしちゃったのね」とかこちらでのトンマンのセリフと重ねて妄想。どんだけ妄想重ねりゃ気が済むんだって状態です。変態だわ~我ながら(-_-)

そいえばピダムの子役とイ・サンの子役は同じ子でしたね~この子、有名なのかな?他のドラマでも見てる気がする・・・。

同じと言えばイルジメに出てくる悪大臣、鉄の王でも悪商人、「幻の王女チャミョンゴ」ではなんと良い人役で出てました。最初何か企んでるのかと思っちゃった(笑)でもなんかこの人好きだわv
ハイトーンな感じが好きなのかしら?はっ、ミセンと共通?ハイトーンで?

チャミョンゴは・・・・出だしとか境遇とかトンマンと同じvとか思ったけど、なんかコレ・・・入りにくい・・・結論、トンマンはトンマンの道を選んで良かったわv何がこんなに入りにくいのか・・・もうちょと見たらわかるかな?
あ、兄弟として育ってる設定があるんだけど、どうにも男女の関係にはなりづらいようです・・・。
こちらの連載ではどんな風に展開していくのかな~楽しみです♪

ながながだらだら失礼しました☆

黒猫4.3kg様へ

  1. 2010/11/07(日) 20:56:01 
  2. URL 
  3. 緋翠@管理人 
  4. [ 編集 ] 
黒猫様こんばんはーv
連載、喜んで頂けて嬉しいです! 私もささやかな幸せをトンマンに味わって欲しかったので、ちょくちょく楽しい話を書いていけたらなーと思います。スタッフへの(ちょっとした)恨みを、ここで晴らすべし!(笑)

そして、黒猫様凄いです! 私はそこまでたくさんドラマを見ていない上に、ドラマを見てる時はあんまり妄想に走ってなくて…。
ソル薬局は、宣伝は見たことあります! 「ポンちゃん(=ホン・グギョン)がいたいた!」と盛り上がった記憶がw トンマンが息子ばっかり……だと、トンマンも男染みているので、さぞや殺伐とした家庭になりそうな予感が(笑) お隣さんのユシンのところが、(ヨンモが産んだのは)一男四女なので、四人の女の子を巡ってぎゃーぎゃー醜い争いを展開しそうですw 優秀なのに、見た目もいいのに、あーあ……な展開と言うか。トンマンが五人目を妊娠したら、「今度こそ女の子!?」と皆で盛り上がりそうですね!
あ。ポンちゃんは、イ・サン見てても特に切れ者とは見えてないので(酷)、ダサいポンちゃんは案外あっさり慣れちゃうかもしれないです(笑) むしろそっちの方が好きになれそうな気が…!

千秋は、そんな展開になるんですかー! 主人公の情夫は裏切るのが基本なんでしょうか(笑) 千秋と言うと、主人公の妹が恋人と逃亡している時、その生活を見て、隠居後トン&ピもこんな感じなのかと想像した、と言う感想を頂いたことがあります。私はその妹を見たことがないんですが、被るところが色々あるんですねー。ピダムの子役の人、ここでも出てた気がします。主人公の息子役で。
黒猫様が変態だなんて……そんなことを言ったら、私はド変態ですよ!(笑)

イルジメの悪大臣…!? ええ、全然わかりませんでした…!! 善徳女王の役者さんはわかるんですが、それ以外はもはやわりとめちゃくちゃです。
ハイトーンは……私はミセンだけですね、今のところ。基本は渋い人が好きです!(笑)

チャミョンゴ、最終回の展開が好きじゃなかったので見ていないのですが……そ、そんな感じなのでしょうか。もし黒猫様的にヒットだったら、ちゃんと録って見ようかなーと非常に人任せな考えていたので……ええっと、とりあえず見ないでおきます(笑)

こちらの連載は、基本はトン&ピの幸せ目指してがんばろーなので、その姿勢を保ちつつ頑張ります!
濃いコメント大歓迎なので、これからもお気遣いなく! ではではーv


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