善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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SS 愛に震える者達

いつぞや書いた連載プロローグ、『SS 愛を犯した者達』のトンマンバージョンです。前回はピダム視点でしたが、今回はトンマン視点です。
かなりピダムバージョンとリンクしているので、出来ればそちらをご覧になってから読んで頂けると嬉しいです!


* * *


 死ぬ、と言う意識はなかった。

 ただ、じっと立ち尽くしていた。
 そして、いつの間にか立っていられなくなった。
 伸ばされた腕に、空っぽの手に、触れることすら出来ないままに、世界が歪む。
 狭まっていく滲んだ視界に最後まで映っていたのは、閉ざされることすらない赤い瞳。
 ……あの瞳が優しく微笑むのを、見たかった。ただ、それだけだったのに。

「――」

 一筋の光もない暗闇に、音なき声が響く。彼が残した、最後の言葉が響く。

「――」

 その声は静かに波紋を広げていくけれど、トンマンの身体をすり抜け消えてしまう。

「…………ム……ダム……」

 重い身体を引き摺るようにして、トンマンは波紋を彷徨った。その声を探して。


* *


 彼がいない、と気が付いたのは、その夢から醒めた時のことだった。

「ピダム……!?」

 まるであの悪夢が続いているかのような恐怖。それと闘いながら外に飛び出したトンマンを受け止めたのは、ちょうど彼女に会いに来ていたチュンチュだった。

「叔母上、如何なさいました」

 落ち着いた様子でトンマンを抱き止めたチュンチュは、上衣を持ってくるよう顎で指示すると、ほとんど寝衣一つで雪空に飛び出したトンマンを素早く部屋の中へ押し戻した。

「ピダムが……」
「ピダムがどうしました」
「ピダムが……いないんだ」

 トンマンの希望もあり、トンマンとピダムの寝所は一つ屋根の下に用意された。お互いに療養中の身であるからして部屋は別々だったが、外に出ることなくお互いの寝所を行き来出来るようになっている。どうやら目を覚ましたトンマンは、ピダムの部屋が空っぽだった為に、彼がいないと思ったらしい。

「大丈夫です、叔母上。ピダムは近頃よく身体を解しに出ているようです。すぐに戻るでしょう」
「いや……違う、違うんだ」

 彼女にしては珍しく、錯乱したかのようにトンマンは何度も首を振った。

『一晩考えて、答えをくれ』

 昨日、ピダムはトンマンの申し出にすぐには頷かなかった。彼がトンマンを愛していることは確かなのに、その愛情は乱を経てその形を変えていた。
 ……それが、トンマンは怖かった。彼の愛情がどう変わったのか、わからなくて恐ろしかった。
 だからだろうか、トンマンは逃げた。ピダムに考える時間を与える振りをして、自分の覚悟の為の時間を用意した。ピダムを二度と離さないですむように……そう考える一方で、まだどこかで、ピダムにとってはもはや彼を殺そうとした私はいない方が良いのではないか――もう、私はピダムを縛り付けてはいけないのではないか――そう思い悩む心を鎮める為に、時間を必要とした。

「ピダムは……出て行ったのかもしれない」

 発作が起きたのか、胸を押さえて崩れるトンマンの身体を寝台に横にしながら、チュンチュは気付かれないように苦りきった微笑を零した。
 ――あの男が、あなたを置いてどこへ行けると言うのか。

「叔母上、ご心配なく」

 乱れきった心を落ち着かせるように、チュンチュは低い声で囁いた。

「きっとピダムはすぐ傍にいます。いつだって……彼が帰ってくるのは、あなたのところ、それだけです」





 トンマンは、毎夜のようにその夢に魘されていた。ピダムを探して探して、一人、彷徨い続ける……それは、終わりのない悪夢だった。

「ピダム」

 それでも、ピダムの姿を見つけた瞬間にトンマンの顔に咲くのは、微笑みだけだった。
 ピダムが消えた前の日も、寝台の上に座り直すと、トンマンは夢の記憶などないかのようにピダムを見つめた。まだ、ピダムは彼女に遠慮している――それは事実だったが、それよりも日々感じる愛情に目を向けたかった。この愛情をもっと分かち合える暮らしになればきっと変わると信じるトンマンは、少しばかりはにかみながら話し始めた。

「その、ピダム」
「はい」
「実は……チュンチュが、家を用意してくれた」
「家……ですか?」
「ああ」

 推火郡に、とトンマンが付け足すと、初めてその意を理解したらしいピダムの口元からは微笑みが消えた。
 ――ああ、まだ。まだ、彼は怖れている。
 ピダムの不安を打ち消すように、殊更華やかな笑顔を浮かべてトンマンは語った。

「春が近付いて、雪が少なくなったら……私はその家で暮らそうと思っている」
「…………ですが、お身体が……」
「それまでには良くなる。大丈夫だ、毎日少しずつ良くなっているのがわかるのだ」

 それは本当のことだった。ピダムに逢う度に、彼が微笑む度に、トンマンは健康になっている。

「その家で、ピダム、私はお前と暮らしたい。最初の頃は無理かもしれないが……出来れば、お前と二人で、つつましく暮らしていきたい」

 トンマンは心の奥底に蔓延る不安を打ち消すように布団を強く掴みながら、ピダムを見つめ続けた。
 ――大丈夫、指輪を渡した時とは違う。もう……もう、彼を失ったりはしない。
 揺らめくピダムの黒い瞳から視線を外すことなく、トンマンは殊更に落ち着いた声で問いかけた。

「……一緒に来てくれるか? ピダム」


**


 それは、ユシンから、ピダムの最後の言葉を聞き終えた時のことだった。

「叔母上」

 ――景色の良いところへ。そう言い掛けたトンマンを制するように寝所に入ってきたチュンチュが、もう長い間使わなくなっていた呼称を用いてトンマンを呼んだのは。
 もしかしたらその時、トンマンは感じたのかもしれない。彼女が玉座を取り上げた甥が、音なき声を届けてくれるかもしれないと。……「叔母上」と呼ぶ彼の声に、一抹の苦味と溢れ出す親愛を感じながら。

「……今、一番逢いたい者は、誰ですか?」

 だから、チュンチュにそう訊ねられた時、トンマンはユシンとアルチョンもいる前であったにも拘らず、女王の鎧が剥がれ落ちるのを止められなかった。迸るような愛おしさが、恋しさが抑えられなくて、トンマンは震えながら答えた。

「…………ピダムに、逢いたい」

 そしてその言葉に応えるように、チュンチュとアルチョンの背後から一人の女人――スンマンが現れた。尼の姿をした彼女は崩れ落ちそうなトンマンの前に跪いてその手を握った。
 幼い頃に自ら志願して尼となり、その教養と才知を磨いてきたスンマンは、トンマンが倒れてから、彼女に代わって戦火に遭った徐羅伐の民を救済していた。彼女もまた、最後の聖骨たるに相応しい意志の強さを持っているのだ。チュンチュが一時スンマンに玉座を譲ることを了承したのも、偏にスンマンが彼の傀儡となるような愚かな女ではないからだった。
 チュンチュは小さく息を吸うと、出来るなら口にしたくなかった言葉を伝える為に、乾いた唇を動かした。

「叔母上。…………ピダムは……生きています」


 生きているとは言っても、トンマンが目にしたピダムは、まるで死人のようだった。土気色の顔をして、ぐったりと寝台に横たわるピダムを見たトンマンは、潰れるように枕元に座り込んで、震える手を伸ばした。

「……ピダム」

 何十年も、何百年も触れていなかったかのように懐かしい肌に指先が触れると同時に、ぴくりと睫が動く。

「…………私の……ピダム……」

 ぽたぽたと落ちる涙が白い敷布に広がる黒髪に染み込んで、消えていく。その時、祈るようにピダムの顔に額を寄せるトンマンの肌に、微かな振動が伝わった。

「……トン、マン……」

 小さな、とても小さな声だった。あの時と同じ、音なき声。けれど、もうトンマンは聞き逃さなかった。

「ピダム、ピダム……」

 ありったけの力を振り絞って顔を上げると、トンマンはまだ血の残っているのか、赤い瞳を見てくしゃっと笑った。寂しさはひとかけらもない、安堵と愛憐に満ち溢れた笑顔だった。

「トン、マン……泣いて……」

 それでも、ピダムは泣いているトンマンを見て、力の入らないだろう手を伸ばした。その手に気付いたトンマンは、自分からその手を掴んで頬に押し当てた。冷たい手。力のない手。だが、それでも良かった。二度と掴めないと思っていた手を掴める幸福は、何にも変え難かった。
 ピダムは自由になっている親指だけを動かして、絶えることなく流れていくトンマンの涙をそろそろと拭った。いつまでも、いつまでも、拭い続けていた。


**


 荒々しい足音が近付いてくる。礼儀も何も知らなかった頃と同じ、懐かしい足音が。
 その音がトンマンの胸の奥に波紋を広げていると、その波紋を吹き飛ばすようにしてピダムは現れた。

「陛下……!」

 苦痛に顔を歪めて起き上がることも出来ずにいたトンマンは、一陣の風と共に手に力強い温もりを感じて、ホッと息を吐いた。

「……ピダ、ム……」
「お話しにならないで下さい。申し訳ありません、陛下……!」

 苦痛が和らぐと同時に、萎びていた身体に血が通い、力が戻ってくる。トンマンは強く掛け布団を握っていた手をほどくと、ピダムの手を力一杯握り返した。

「どこに……行って、いた……」
「陛下、まだお話しになっては……」
「いい、から……!」

 どこに行っていたのだと、宮医を追い払った途端に、トンマンは子供のように癇癪を起こした。

「本当に……いなく…………なったのかと……思ったでは、ないか……!」

 しゃくり上げるようにして叫んだトンマンは、泣き顔を見せたくなくて彼から顔を背けた。ただ、ピダムの手だけは離せなくて、その手を握ったままトンマンは叫ぶように声を高めた。

「陛下――」
「出ていくなら……! 出ていくなら、私に、一言ぐらいは何か言うべきではないのか。私は……私は、お前を追い出したくて、あんなことを言ったわけでは……」
「陛下」

 その時、ピダムが凛とした声で彼女を制した。震えを吸い込むようにトンマンの手を強く握って、寝台に腰を下ろす。広い寝台だと言うのに、わざわざトンマンの枕元に座ると、ピダムは寝乱れたトンマンの髪を撫でて、はっきりと囁いた。

「……私は、陛下のお傍にいなければ、生きてはいけません」

 その言葉を聞いたトンマンは、僅かに身体を強張らせた。
 ――ピダムは。ピダムの、心は……。

「連れていって下さい。陛下のいらっしゃるところなら、どこへでも。どうか、お供をさせて下さい」

 今度こそ後悔しないように、トンマンは振り返った。真っ直ぐに彼を見上げて、その心に触れる為に。

「…………私は……もう、富も名誉も……何も与えられないぞ。それでも、構わないか」
「いいえ」

 ピダムは、優しく微笑みながら彼女の髪を撫でると、胸元へとその温かい手を移した。かつてトンマンを寝かしつけた時と同じようにまだ早鐘を打つ胸元に手をあてているのに、その時とは違って、厳かさすら感じさせる口調でピダムは誓った。

「……愛しています」

 それは、ずっと、ずっと待ち望んでいた言葉のはずだった。今度こそ、トンマンはその言葉に心の底から頷いて、彼に腕を伸ばす――そのはずだった。

「愛しています」

 ところが、ピダムの瞳には何かが埋もれ、欠けていた。それが熱烈に彼を求めるトンマンの奔流のような心を少しずつ宥めていく。
 それを、ピダムが彼女の体調を気遣っているからだと思ったトンマンは、安らかになった胸を弾ませてピダムへ微笑みかけた。

「……ピダム……」
「はい」
「一緒に暮らしたら……カリバンを一緒に作ってくれ。西方の食べ物なんだ」
「はい」
「ピダム……」

 ――ピダムが頷いてくれる。笑ってくれている。
 何度味わっても、それだけでトンマンの瞳には涙が滲んだ。

「……ありがとう」

 今度こそ、すれ違わないように。間違えないように。……彼を、離さないように。
 自らの胸元にあるピダムの手に手を重ねて、トンマンは優しい夢をたゆたった。



* *

ちっちき様にコメントでリクエストして頂いて、早4ヶ月…。光陰矢のごとしって奴でしょうか。うおう。(何)

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  1. 2010.12.30(木) _01:53:46
  2. 隠居連載『蕾の開く頃』
  3.  コメント:3
  4. [ edit ]

<<第二回善徳女王チャットのお知らせ ※追記あり | BLOG TOP | 12月26日に頂いたコメントへの返信>>

comment

最終話見た後だと、何か変わるかもと思って

  1. 2011/02/06(日) 23:30:04 
  2. URL 
  3. りば 
  4. [ 編集 ] 
とっておきました(←?)。恐る恐るお邪魔します今晩はー。

> この手を二度と離さないし誰にも離させはしない、幸せを叶える為というよりそうできない、耐えられないと知ってしまったから、という気持ちがトンマンの中にあるようなあって欲しいような。
>いつかのSSで書いたトンマンは、まさにこんな感じでした。身体はボロボロだけど、ピダムだけは離さないって執念すら感じるような雰囲気で。

↑・・・という、SS「蕾が開く夜」で戴いたコメントレスは「愛を犯した者たち」の事だったんでしょうか。

色んな思いに引き裂かれてるトンマン、乱の終末を繰り返し夢に見るトンマンは見ていて胸が痛みます。そらトラウマにもなりますわな。一歩一歩、少しずつ死んでいく男を見続けなければならなかったんだし、どうしようもない事だったとは言えピダムを殺した罪に、いやそうなったのはピダムのせいなので(笑)、そうした自分を悔やむというよりは、その自分の決断によって起こったピダムが目前で死ぬ、というショックが強すぎて、未だにうちのめされ続けているようで。

プロポーズの返事に猶予を与えたのは、もしかしたらピダムを野に返した方がいいのでは。と思ったんでしょうが、でもピダムはトンマンとの出会いを経て人間の男になっちゃったんで、もはや野に返っても寂しくて生きていけんのでしょーね。

この時点では二人の思惑がずれているというか、本当に思っていることはまだ言えない二人なところが出発点というか、出発点以前、という感じがして面白いです。ピダムはトンマンが自分への罰を代わりに受けている、と思って苦しみ、トンマンはピダムの死という強烈なショックを、それが現実では違ったと分かった後も夢の中で繰り返し味わっている。顔を合わせればお互いほほ笑み合い、想い合うのに内心では相手にとって自分と共に在る事が良い事なのかどうか、と苦しみきっている。どちらもお互いなしではもういられないくせに。というすれ違いがツボですv(←Sですかねー)

長いので分けてみましたので後半を・・・

  1. 2011/02/06(日) 23:34:47 
  2. URL 
  3. りば 
  4. [ 編集 ] 
どちらも相手を失うのはもう二度と御免だと思っているからこその迷いですけど、どうせ手を離すことは出来ないんだから、お互いを生きる理由にして頑張ってくれ~て感じです。

あとユシン、アルチョン、チュンチュ、スンマンとたくさんの人がまわりを取り囲んでいるにもかかわらず、トンマンにとっては有り得ないくらい珍しく女王の仮面が崩れたのは、ピダムの死後でありピダムの最後の言葉を聞いた直後、というタイミングもあったのかなーと。

読みなおして分かったんですが、今一番逢いたいのは?と聞かれて、まだこの時点でのトンマンの答えがピダムだったら、死んでピダムに早く逢いたい、ともとれるんだなーと。だからこそチュンチュがもたらしてくれた知らせが、消えてゆきそうなトンマンの生命の明かりを逆転させ、ピダムに逢うには生きていなければならない、て息を吹き返させてくれたというか。ここでの「私のピダム」という呼びかけは、「私のトンマン」の返しでもあるんですねー。

これで謎も解けました。「愛を犯した~」の方ではチュンチュのセリフの後「熱い手が意識を引き摺り上げていく」て、トンマンが握った手だったんですねー。「寂しさはひとかけらもない、安堵と愛憐に満ち溢れた笑顔」、本編でも見たかったというか見てみたいというか・・・

ドラマの最終話じゃ、トンマン笑っていてもすごく哀しさと寂しさのこもった笑顔だったんで、ドラマでのあの終わり方はあれはあれでしょうがないし、その中でも想いがかすかに通じた所はあるんで全くのアンハッピーエンドでもないとはいえやっぱり、トンマンに本当の笑顔を取り戻させるのは、ピダムをトンマンの手に返してあげるのが一番なんだなーと(泣)

連載につながるこのssでもまだハッピーエンド!という訳ではないんですが、そこも好きです。

りば様へ

  1. 2011/02/08(火) 00:36:42 
  2. URL 
  3. 緋翠@管理人 
  4. [ 編集 ] 
りばさんこんばんはーv
お、恐る恐るっすか…!? あ。でも私もこのコメントを頂いて、「やっべえ!ちゃちゃちゃんと書けてたのかしら…!?」と不安になりました。(←小心者)

『蕾が開く夜』で何とお返事したのかすっかり忘れてましたが(…)、りばさんのご指摘通りです。
> > この手を二度と離さないし誰にも離させはしない、幸せを叶える為というよりそうできない、耐えられないと知ってしまったから、という気持ちがトンマンの中にあるようなあって欲しいような。
> >いつかのSSで書いたトンマンは、まさにこんな感じでした。身体はボロボロだけど、ピダムだけは離さないって執念すら感じるような雰囲気で。

↑これは、『愛を犯した者達』のことですねー。このお話も当てはまりますが。

子役時代から見てきた結果、トンマンって「自分がしっかりしなきゃ」と言う状況を自覚してこそ、しっかり出来るタイプなのかな、と言う気がしまして。本当は脆かったり、精神的なショックが大幅な体調不良に繋がるくらい弱い部分があって、だからこそ精神力で仁王立ちし続けてきた……そんなイメージがあるんです。
なので、「王」と言う使命がなくなった時、トンマンって物凄くボロボロになるんじゃないかなーと。もう何年もずっと全ての感情を押し殺してきたからこそ、ピダムのことをキッカケに様々なストレスが一気に芽吹いて、それが『ピダムの死』と言うトラウマとか悪夢に集約されて襲い掛かってきている…と考えて書きました。チョンミョンが死んだ時に似てるかもしれません。

> あとユシン、アルチョン、チュンチュ、スンマンとたくさんの人がまわりを取り囲んでいるにもかかわらず、トンマンにとっては有り得ないくらい珍しく女王の仮面が崩れたのは、ピダムの死後でありピダムの最後の言葉を聞いた直後、というタイミングもあったのかなーと。
そうですねー、それは意識しました。例え儚くてもトンマンが一番幸せを感じられた瞬間に、「女として生きて」とトンマンに遺言したチョンミョンの息子であり、尚且つピダムを最も倒したいと考えていたチュンチュによって、女王の仮面が崩れる……って言うのが、一番しっくりくるのではないかと。
ここではあんまし関係ないですが、『愛に~』の二つの話でチュンチュがマメに世話を焼いているのも、「本当はこんなに弱い心の持ち主だったのか」と言うトンマンに対する驚きと、一抹の哀れみあってのこととイメージしています。(ピダムのことは全く哀れんでませんがw)

プロポーズの返事をすぐに聞こうとしなかったのもやはり、理性より感情が先に来て悪夢に魘されて我を失う状態だからこそかなーと。普段なら、ああ言う形で猶予は与えないでしょうし。
ピダムがもう野生(笑)に帰っても孤独死しちゃいそうなことも知ってるはずなのに、頭と身体と心がちぐはぐになっちゃってる感じですねー。

> この時点では二人の思惑がずれているというか、本当に思っていることはまだ言えない二人なところが出発点というか、出発点以前、という感じがして
出発点以前、ズバリその通りだと思います(笑) 確かにお互いの想いはわかってはいるんですが、二人とも死にかけて、ぐーんと後退してしまったと言うか。
二人して「用心深くしないと、また(相手を)死なせてしまうかもしれない」と言う恐れが骨身に染み渡っているので、微笑み合いつつ、遠慮しまくりつつ、でも一緒にいたい、と傍から見たら「じれったい!!」とハンカチを噛みつつ面白がりそうですw(←私もSですかねー)

まあでもこう言う段階を経ることによって、お互いに相手への見方も変わり、連載が始まる頃にはぎこちない間柄も解れてくるのかもしれません。結果オーライ!(ええ)
お互いを生きる理由にしつつ、いつかはそんなことすら考えなくてもOKな間柄にまでなって欲しいです。

> 読みなおして分かったんですが、今一番逢いたいのは?と聞かれて、まだこの時点でのトンマンの答えがピダムだったら、死んでピダムに早く逢いたい、ともとれるんだなーと。
「死んで」の部分は意識してないかもしれませんが、トンマンとしては、「ピダムに逢いたい。逢って、あの手を掴みたい」と思ったんじゃないかと。ピダムが死んだから、「逢いたい」イコール「死にたい」、になっちゃうのが悲しかったので、ここではそれを「逢いたい」イコール「生きたい」にしたかった、と言う気持ちはありますv
なんかここでは、「愛してる」とかは違うなーと。トンマンのピダムへの気持ちを示すのに一番いいのが、ピダムの最期の言葉に応える「私のピダム」で、その言葉もあってピダムは蘇って来られたのではないかと。チュンチュの「陛下が、目覚めない。お前が死んだその時から、陛下が目覚めない」でかろうじて死ぬことはなくなっても、トンマンが目覚めない以上、ピダムには目覚める意味もないですし。

ドラマの最後の笑顔は私も寂しくて・゚・(ノД`;)・゚・あの笑顔の後、後ろから「トンマン」って呼びかける黒い影がいたに違いない、と勝手に妄想したりもしましたw
子トンマンを哀れみ励ました後に、トンマンをずーっと見守ってきたであろうチョンミョンやソファ、両親、最後にピダムがいてくれてもいいじゃないかーと思ってしまいます。あの最後だから、またショックが大きくて二次創作意欲は増したのかもしれませんが(笑)

> 連載につながるこのssでもまだハッピーエンド!という訳ではないんですが、そこも好きです。
私も、あのラストからいきなり「ピダム生きてた!」→「やったー!ラブラブ!」は違和感あり過ぎるだろう、と。生か死か、ハッピーエンドかバッドエンドかわからないプロローグを潜り抜けて、小さな喧嘩や誤解も経て、揺らがない幸せを得て欲しいと思いますv


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