善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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SS 名も無き@クリクリ様

クリクリ様SSラストの第五弾! 今回はサンタクのお話です。

最近トン&ピばかり書いていますが、クリクリ様のシリーズを読んでいたら、ふとミシルとチルスクの話を書きたくなりました。サンタクとチュクパンも書きたいですねー。思えば、まだまだ書けていないキャラがいっぱいいますねー。ネタだけは一人前にあるんですけどねー(笑)

って、そんな管理人の呟きはどうでもいいっすね!(ノ∀`)
ではでは、続きからどうぞー。


* *


さく、さく、と音がする

あなたが踏みしめる枯葉の音

枯れた命の末路の音

ふらり、ふらり、とあなたが歩く

俺が追いかける長い影

空虚な魂の影法師

その姿が哀しくて

その姿が淋しくて

俺は声をかけたいのに

俺は言葉を知らなくて

あなたは確かに泣きそうなのに

あなたの心は血をふきだしているのに

あなたの涙を拭えるひとはここにはいなくて

どうしてこうなった?

どうしてこうなった?

ただ

ただ

このひとは

あのひとを

「・・・だけなのに」
「・・サンタク・・?」
「好きになっただけなのに・・」
 俺の目から涙が溢れてくる。
「あなたはただ・・女王様を好きになっただけなのに・・!」
 ぼろぼろと熱い塊が胸から溢れ出す。俺はただでさえ不細工だってのに・・きっと、あなたの目にはさぞ珍妙に映っている事だろう。
 
「お前は本当に面白い顔をしているな。」
「悪うございましたね、お見苦しい顔で。」
ひと際男前なあなたは人の悪い笑みを浮かべて言った事があった。
「私は結構好きだぞ、お前の顔。見ているうちに笑いがこみ上げる。」

なら 笑って下さい あの時みたいに
不細工でも、珍妙でもなんでもいいですから笑って下さい

ああ 本当におかしいですよね
あなたは俺なんかよりずっと強くて
ずっと頭も良いのに

俺はずっと思っていました
あなたは まるで泣いている様だと

どんなに血に塗れても泣いている様だと

だから

だから・・・

「何で・・お前が泣く?」
「あなたが泣けないから代わりに泣くんです。」
「・・おかしな奴だ・・それに何でついて来る?さっきも言ったろう・・その黄金を持って、どこか遠い場所に・・」
「それは!」
 俺はあなたの言葉を遮る。
「・・それは全部、あなたの・・あなたの望みなんじゃないですか!?」

だから・・

「どこか・・誰も知らない場所で、自分らしく、自分だけの人生を・・あの方と一緒に・・」

俺は

「あなたの本当の望みなんじゃないですか?」

あなたを

・・・我ながら無茶苦茶だと思う。
こんな馬鹿なことを考えるなんて。

「・・お逃げ下さい!」
きっと、今の俺は最高に変な顔をしているに違いない。・・だって・・あなたは微笑んでいる。まるでちぎれた花みたいに。
「・・ありがとう。」
・・・やめて下さいよ あなたが殊勝に礼を言うなんて、今までなかったじゃないですか
「多分・・本当に忠義を尽くしてくれたのは・・お前だけなんだろうな・・」

あなたを

「ありがとう・・心から礼を言う。だから、ここから先は私一人で」

・・・その途端、背から胸にかけて鋭い痛みが走った。あなたの目が大きく見開かれている。

「サンタク!」
「・・お逃げ下さい・・!」

ただ

「・・・!」

・・・ただ 守りたいと 思ったんです

「・・おにげください・・」
 声にならない声で俺は呟く。・・なんだこれ・・全然守れてないじゃんかよ・・ああくそっ・・またチュクパンの野郎にからかわれる・・

・・薄れていく意識の中、夢を見た
一面の桃の花が咲き乱れるここではないどこか。小さな家、小さな畑、遊んでいる小さな子供・・大きな、真っ黒な目の、誰かにそっくりな。
 母親らしい人が家から出てきて子供を抱き上げる。あの高貴な方に似て綺麗な人だ。きっと、こう言ってるんだろう・・おとうさんをまってようね、と。
 その時、家に通じる一本道の向こうから、あなたがやってくる。お土産らしい大きな包みを持って、手を振りながら。
・・・よかった、わらってる
転がるように纏わりつく子供を軽々と抱え上げ、あなたは妻に笑いかける。妻もあなたに笑いかける。

・・よか・・た・・

きっと 歴史には刻まれる事はないだろう

名も無き男が死んだ事なんて

そして 永久に知られる事もないだろう

・・何故 幸せそうに笑って死んだか、なんて

ほら、

笑って下さいよ・・・



****

<クリクリ様の後書き>
サンタク、大好きです。
誰もが利益を求めてピダムに擦り寄る中、ただ一人、愚直なまでに仕え続ける・・きっと彼は、トンマンとは別な意味でピダムの心の支えだったのだろうと。ソファの「無償の愛」に似ているかもしれないですね。

<緋翠の後書き>
以上でクリクリ様シリーズはおしまいです。
あくまで私の感想なんですが、クリクリ様の作品を読んでいると、善徳女王の世界なんだけども、クリクリ様ワールドに迷い込んだような不思議な気持ちになります。ドラマ本編を、あらすじはそのままに、別の脚本家の手で書き直された雰囲気があると言うか……まさしくこれは二次創作の醍醐味だなあと思いますv
海外暮らしが長く、日本語を使う機会にあまり恵まれていなかったと仰っておられましたが、私はどのお話も、言葉の豊潤さにまず驚かされました…! くどいくらい言ってますが、もし気が変わったら、ブログを…(笑)

ではでは、クリクリ様、お疲れ様でした&ありがとうございましたー!
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  1. 2011.03.02(水) _18:53:47
  2. 宝物蔵(頂き物保管庫)
  3.  コメント:6
  4. [ edit ]

<<暗殺者の真実。@『孫子大伝』第9話 | BLOG TOP | 2月27日に頂いたコメントへの返信>>

comment

クリクリ様へ

  1. 2011/03/02(水) 19:37:40 
  2. URL 
  3. 椿 
  4. [ 編集 ] 
クリクリ様初めまして!椿と申します。

クリクリ様ワールドに迷い混み、また別の視点や斬新な解釈に目からウロコ状態です!

今回のサンタクの、「どうしてこうなった」って、言葉がグッと胸に迫りました。それは本当にドラマを見ながら私も思いました。
彼だけは最後までピダムに仕えた、そこに損得勘定は無く、ただ仕えたんですよね…。サンタクの最後に泣きましたが、またクリクリ様のお話で涙が出ました。
サンタクとチュクパンの凸凹コンビの掛け合いも好きでした。
サンタクの夢、トンマンとピダムが家族になって幸せに暮らしているって、平凡な幸せこそが、実は一番かけがえのないものなんだなぁと、思わずにはいられません。

胸に迫るサンタクの思い、ありがとうございます!


サンタク好きです

  1. 2011/03/03(木) 00:08:23 
  2. URL 
  3. すーさん 
  4. [ 編集 ] 
クリクリ様、こんばんは

最終回、私が唯一泣けた場面はサンタクの最後でした

愚直なまでの忠義で仕えるサンタク。

思えばミシルの乱でも一旦は逃げ出そうとしながらも引き返した彼。

「これは違うよ、違うと思う」←確かこういうセリフだったと思いますが、じゃ何が違うのか

彼の中の主への気遣いと忠誠………

ピダムにとって本当に信頼できた部下はサンタクだけでした

サンタクが最期にあっても見た夢が、ピダムの幸せな暮らしぶり。

自分のことではなくピダムの笑顔が見たくて………夢でも見れたなら、幸せな顔をして逝けるサンタクが大好きです

クリクリ様、素晴らしい作品をありがとうございます


  1. 2011/03/04(金) 01:18:18 
  2. URL 
  3. クリクリ 
  4. [ 編集 ] 
すーさん様

クリクリで御座います。

緋翠様、この場所をお借りしてのコメントをお許し下さいませ。

サンタクの様な、愚かだけれど、誰にも真似の出来ない揺るぎ無い生き方をした人間は、必ず歴史の
波のどこかに埋もれていたのかも・・という想いで書きました。

この様な駄文に素晴らしいコメントを頂き、有難う御座いました。


  1. 2011/03/04(金) 01:36:20 
  2. URL 
  3. クリクリ 
  4. [ 編集 ] 
椿様

こんばんわ。クリクリで御座います。

緋翠様、また、この場所をお借りしてしまいます事をお許し下さいませ。

「どうしてこうなった?」・・この言葉は、おそらく「善徳女王」の登場人物総てが一度は考えた事なのではないか・・というのが私の解釈で御座います。
 そして、「名も無き」男が最期に「名も無き」一家のささやかな幸せの夢を見る・・そこに救いを見出したい一心でこの結末に致しました。

ですので、緋翠様の書かれるトンマンとピダムが夫婦になる「IF・・もしも」なお話が私は大好きなのです。

素敵なコメントを頂き、有難う御座いました。

サンタク!

  1. 2011/03/04(金) 21:11:46 
  2. URL 
  3. 黒猫4.3kg 
  4. [ 編集 ] 
クリクリ様の静かなる話のサンタク!

ドラマ中、多くを語られる事がなかったけれど、節々で彼の持つ忠義っていうのを示してくれて、ただの金魚のフン的いじめっ子お笑いキャラってだけじゃないんだぜってのを示してた彼を、こんなにシリアスにラストを損ねることなく、それ以上に泣けるお話になさるとは!!

サンタク、本当にきっと最後までピダムの事を心配して心配して逝ったんだろうな~。

それはきっとムンノやミシルやソルウォンとは違う形で。

欲に走りそうで走らず、主と決めたら最後まで忠義を尽くす。そんな彼に最後に優しい夢を見せてくれてありがとうございます。

サンタクがピダムの遺言どうりに生きるってのもありだと思いますが、きっと彼にはコレが幸せ。

このたびは素敵な優しい話をありがとうございました(*^_^*)

  1. 2011/03/06(日) 02:05:47 
  2. URL 
  3. クリクリ 
  4. [ 編集 ] 
黒猫4.3kg様へ

クリクリです。緋翠様、またこの場をお借りいたします。

イメージ的には真っ白い、何物にも染まらないし染まれない、哀しいまでに真っ直ぐな男。
それが、私の中のサンタクです。
最期まで自分を貫き通したサンタク、大好きです。

素敵なコメント、有難う御座いました。


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