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善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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知盛SS

知盛終わったー!!

後日談も見ましたが、やっぱり知盛の京EDがあったら楽しいだろうなーと言うわけで、記念に後日談のさらに後のSSを。
平家捏造京ED……見たいナ。
でもでも十分満足です! 愛蔵版ばんざいばんざーい!! コーエーさまありがとうございます。十六夜EDも全クリ目指して頑張りまーすv


* * *

 己と言う人間は、割合人様から誤解を受けている、と知盛はこれまで幾度も思ってきた。
 勿論それを口に出して言ったことはなく、だからこそまた誤解にも拍車がかかり、今も恐らくは同母兄弟以外の全ての人間から誤解を受けているのだが、弁解する必要性を感じたことはないので、黙っている。
 ところが最近、知盛には誤解の度合いを少しくらいは減らしてほしい相手が現れた。なので、知盛は彼なりに努力して、誤解を解こうとしている。

 和議の場で知盛の父である清盛を喰った後、逃げようとする茶吉尼天に一撃を加え、それを許さなかったのはやはり望美だった。
 そしてそれを見て、望美はやはり先見の能力を得ていると父が喰われたにも拘らず悲しむどころか面白そうに望美の戦う様を見詰めていた知盛は、自分で撒いた種とは言え、「薄情者」と弟に評され(弟がよよと泣き崩れて悲しんでいる様も見なかったが)、白龍の神子の腰巾着八葉の手によって望美から遠ざけられた。お陰ですっかり知盛と望美は、元からあったかどうかも疑わしい“まともな恋人同士としての出発点”を完全に失ってしまった。
 以後、和議も終わり、六波羅に邸を建てるなど平家が都帰りに沸く中で、知盛と望美はお互いに文を交わすこともなく、時折ふっと夜半に互いの邸へ赴いて襲ったり、あるいは神泉苑で剣を交わし、ついでに休憩代わりにちょっとばかりお喋りをして互いを知ると言う有様だ。
 しかし、それがなかなかうまくいかない。
 どうも望美は知盛に対して「話を聞かない」と思い込んでいるらしく、知盛としては望美の言うことを聞いてやろうと思って黙っているのを「興味がないんだ」と誤解し、すぐに剣へと切り替えてくるのだ。

「知盛、いくよっ!」
「…………何時であれ、お好きなように」

 しかも知盛が、「望美がどう出るか見てみたい」と思ってそう言うと、「どうでもいいんだな、やっぱり」と少しばかり肩を落とす。剣を打ち込んでくる時は迷いなど微塵もなく、まるで共に舞っているかのように知盛の動きを読んでくるくせに、どうして、こうも知盛の心を知らないのだろう。

(クッ……どうやら神子殿は、かつて出会ったとか言う『俺』とは、本当にただ剣を交えるばかりであったらしい……)

 そのことが僅かに望美の中に生き続ける『知盛』への妬心を慰めることにすら、この鈍い女は気付かない。
 知盛は彼から少し離れたところで――要はあくまで彼の間合いに入って休養はしない望美をつと見据え、ぐいぐいと水筒を傾ける彼女の、揺れる桜のような髪を見た。
 実のところ、知盛は望美の見た目もかなり好ましいと思っている。
 宮中の女房衆とは違い、戦い続けることによって鍛えられた、しなやかで、肉の締まった身体の線は見ていて美しいと思うし、知盛のそれと違って円く垂れた瞳は可愛らしくて、やはり知盛のツンとしたそれとは違って柔らかく風に流れる髪を指に絡めるのは心地よい。正直、幼馴染とやらの特権でそれを実行する将臣に時折殺意を覚えるほどだ。

「……」

 そんなことを考えるうちに、急にその髪に触れたくなった知盛は、それを堪えずに望美を呼んだ。

「神子殿」
「なにー」

 振り返った望美は、水筒を仕舞いながら、緊張感を高めている。警戒されるほどの何をこの俺がしたのだろうな、と未だに口付け一つしていない知盛は不思議に思いつつも、それを顔には微塵も出さずに手をひらひらと振った。

「…………なに、帰れってこと?」
「……違う」
「じゃあ、なに」

 鈍い女だ。
 溜め息を苦笑に変えて(とは言っても望美には馬鹿にしたようにしか見えなかったようだが)、知盛は小さく笑った。

「クッ。神子殿、逢瀬の最中に触れていたいと思うのは、おかしなことか……?」

 知盛の彼にしては直截なその言葉に、望美が呆気にとられたように彼を見詰める。次いで、ぼぼんっと音を立てて顔どころか全身を赤く染めた彼女を見て、きっとそんな望美を知っているのも俺だけなのだろうな、と満足げに笑って、知盛は固まった望美の腕を引き、その華奢な身を抱きしめた。




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  1. 2009.05.24(日) _18:07:22
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