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善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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SSS 身長差に焦点を

将臣くん無印ED後SSですー。後日談は見ていなくても大丈夫……かと。


* * *

 今更だが、将臣と望美の身長差はかなりある。
 将臣が望美を抱きしめようとするとどうしても顎を紫苑の色をした髪に埋めざるを得ないし、顔を見たいなら抱え上げるしかない。
 もちろん座っているなり寝転がっているなりすればまた話が違っただろうが、忙しい毎日の中でそうそうのんびりしている時間が真昼間にあるわけではない。
 だからだろうか、偶然に訪れたその機会を、将臣は深く考えずに活用してみた。

「望美」
「あ、将臣くん。忘れ物?」

 会いに来てくれたの、などとは言わない望美は“還内府”の妻としてはかなり高得点だったが、お互いに恋仲と認識して間もない間柄の恋人としては赤点スレスレとしか言いようがない。けれど将臣も望美も気にしてはいないので、それは周囲からの嘆きと言う形でしか表に出てこなかった。

「んー……まぁな」

 曖昧に答えると、将臣は一歩前に出た。その目が望美の乗っている小さな台を見て、笑みを浮かべる。

「お前こそ、それ大丈夫かぁ? ミシミシ言ってるぜ」
「ふふん。軽いから大丈夫です」

 ベーッと舌を出して相変わらず失礼な将臣を撥ね付けた望美は、ところが後ろ髪を引っ張られたせいでまたしても将臣の顔を拝むことになった。それも、えらい至近距離で。

「…………」
「ふーん。身長が同じだとキスしやすいってホントなんだな」
「……………………」
「邪魔して悪ぃ。じゃ、また後でな」

 疑問が解決してスッキリしたのか、爽快そのものと言った様子で去っていく将臣を見送った後、また望美も仕事に戻る。
 棚の上を雑巾で拭きながら、望美は心の中で頷いた。

 確かに今のは将臣くんも私も楽だった、と。



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  1. 2009.06.03(水) _22:59:13
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