善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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SS 「はいけい ごしゅじんさま」 @shoko様

shoko様から、『ねこまの駆け引き』のサブ・アンサー・ストーリー(shoko様の言い回しがカッコよかったので、拝借します!ありがとうございますーv)のSSを頂きましたー!
私の感想はshoko様へのお返事で語ったので差し控えますが、個人的に、凄く胸に迫るもののあるお話です。家族ネタを読んでくださる皆様にもお楽しみ頂ければ幸せですvv


* *


はいけい ごしゅじんさま

いつまでまっても きてくださらないので おてがみを かきます。
おげんきですか? いま どこにいるのですか?
ぼくは いつもいっしょに かりをしたり たきぎをひろった やまのはやしで
ごしゅじんさまを まっています。

おうちが かじになって ひのなかに ごしゅじんさまがたおれているのを みたとき
ぼくは あとさきもかんがえずに そこにとびこみ ごしゅじんさまのふくをひっぱって
そとにひきずりだしましたよね
ぼくは みみも しっぽも せなかも あしも こげたりやけちゃったりしたけど
ごしゅじんさまは だいじょうぶだったですよね?
「殺したあとに火をかけていったんだ」 とか
「斬られたうえに、矢で射られてもいる。もうだめた」 という こえもきこえたけど、
ごしゅじんさまは だいじょうぶだったですよね?
ぼくが きをうしなうすこしまえまで だいすきなごしゅじんさまのこえは きこえていたもの
「お前は 行け 早く」 と

きがついたら おむかいのごしゅじんが ぼくのきずの てあてをしてくれていました
そして おまえのしゅじんたちは みんなしんだ といいました

そうです すこしのあいだに たくさんのひとがしにました
おおきなとちと おかねと ちからをもっていた ごしゅじんさまのおうち
ならぶもののない だいしょうにんのいえだったのに
だんなさまが なくなられてからは ふうんつづきで
ごしゅじんさまのいえを つぶそうと いやがらせをしたり
ごしゅじんさまのははうえの おくさまに ぶれいをはたらくやつらもあらわれて・・・
けだかくうつくしかったおくさまは ほこりをまもって みずから しをえらびました
ぼくをかわいがってくれた しようにんのひとたちも おくさまのために いのちをおとしました
でも ごしゅじんさまは 
ひのなかに たおれていたけど 
やもささっていて きられていたかもしれないけど
ごしゅじんさまは ぼくが ひのなかから ひきずりだしたときは 
まだ いきていましたよね?
ぼくは だらしなくも きぜつしちゃったけど 
それで ごしゅじんさまのゆくえが わからなくなっちゃったけど
でも ごしゅじんさまは きっと いきていますよね?

だからずっと まっていたんです あの いつもの やまのはやしで
だけど たべるものもみつからなくなって ふらふらになって たおれちゃったんです
そしたら・・・

ごしゅじんさまとおなじように とてもせのたかいひとと そのぼっちゃんが
ぼくをみつけて たすけてくれたんです
ぼくを じぶんのうちまでつれてかえり あたたかいへやで やすませてくれて
みずと とりにくを ほねつきのまま くれました。
「とてももったいないが」 といいながら それでもたくさんくれました
ぼくは むちゅうになって とりにくをほおばり そして ねむってしまいました
ふとめざめると せのたかいひとと そのおくさまらしきひとの かいわが きこえてきました
「どうする?」と

ああ ぼくのことで こまっているな と すぐにわかりました。
じつは このあいだ たべものをさがしに ここのいえのちかくまで やってきたとき
こんなこえが きこえていたのです

「犬は」
「論外」

ここのぼっちゃんが ねこがほしいと だだをこねて ねむってしまったあと
そのあと おくさまが うさぎは いぬは ときいたのに
せのたかいごしゅじんは すべてに はんたいしたのです
どうやら どうぶつは きらいなようです
でも ぼくは さいしょから 
ごしゅじんさまいがいの だれかのおせわになるきは ありませんから
すぐにたちあがると いえのとびらをくぐって そとにでました
ふりかえると、びっくりしたように ふたりが ぼくをみていました
ちょっとだけ あたまをさげて でも ぼくは はしりだしました
そうして もとの やまのはやしにもどったのです

それから ときどき やまのはやしで あのせのたかいひとと あいました。
ときには そこにぼっちゃんも くわわることが ありました。
ぼっちゃんは ぼくと はしりまわるのがすきで 
ぼくたちがあそんでいるあいだ せのたかいひとは やくそうや きのみをあつめ
ときには かりをしていました
たまにはぼくに かりのおてつだいをさせてくれることもあり
そんなときは ごしゅじんさまのことが おもいだされて
うれしいきもちと かなしいきもちが くるくると ぼくのこころに ひろがるのでした
ふしぎとそんなきぶんのときには なぜか せのたかいひとは ぼくをなでてくれて
それがまた ごしゅじんさまをこいしがるきもちを おおきくしました

やさしい ひとたちでした
かえりぎわには いつも 「ついてこいよ」と さそってくれました
でもぼくが うごかずにいると とりにくや たくさんのとりのほねを おいていってくれるのです
だからぼくも あつめた たきぎをくわえて わたすことにしていました
ぼっちゃんは きまって なごりおしそうにしてくれました
せのたかいひとは なにもいわないけれど ぼくのきもちが わかっているようでした
それでいいと ぼくも せのたかいひとも おもっていたんです

そんなあるひ ひるねをしていたぼくは 
とおくからでもわかる すさまじい けはいで めをさましました。
きがつくと あのせのたかいひとが たいへんなけんまくで はしりまわっていました
そして ぼくをみつけると
「うちの息子を知らないか!」
と きいたのです 
「と、犬に言ってもわからないか」
と つぶやいたのに、また しんけんに はなしかけてきます 
「知らなくてもいいから、知っていたら教えろ!」
・・・・・・むちゃくちゃです 
かなり きもちが どうてんしているようです 
ひとは ふつう まじめに いぬに はなしかけたりはしません
いぬは ひとのことばがわからない とおもっているからです
でも いぬは すこしは ひとのことばがわかるのです
でなければ あんなに ちゅうじつに はたらくことはできません
ぼっちゃんが まいごになったのか 
じじょうをさっしたぼくは しずかに かぜのなかの においをかぎました
ぼっちゃんのにおい よく しっているから 
このやまのなかにいるなら ぜったいにわかる
ふと かざむきが かわった しゅんかんにわかりました
あそこだ
そしてぼくは せのたかいひとの ふくのそでをくわえると
こっちだと うながしました
ぼくがつれていったのは このあたりで いちばんおおきな きのねもとでした
そういえば ぼっちゃん このきに のぼりたいのぼりたい と いっていたっけ

きにのぼって おりられなくなって 
ないている ぼっちゃんをみつけた せのたかいひとは
するすると そのきにのぼると
また あっというまに ぼっちゃんをかかえておりてきました
せのたかいひとは なきじゃくる ぼっちゃんをだきしめたまま
しばらく ぼうぜんとしていましたが
あしもとにいる ぼくに きづくと
ぼっちゃんのための かたてをあけて 
ぼくのあたまを ごしごし と らんぼうになでました
「お前のおかげで助かったよ」
せのたかいひとは ひとにはなすように つづけます
「お前のことは村人から聞いた。主人とよく狩りをしたこの場所で、帰らぬ主人をずっと待ち続けているのだと」
そして ぼくを つくづくとみると こういったのでした
「お前を見ていると、サンタクを思い出す」
せのたかいひとの やさしいひとみが ぼくをみつめていました
きっと せのたかいひとの たいせつなおもいで なのでしょう
でも ぼくは そのひとみに ごしゅじんさまのひとみを みたような きがしたのです
「ほんとうにありがとう」
もういちど せのたかいひとは ぼくにおれいをいうと すたすたとあるきだし
そして ついてこないのか? と ふりかえりました
ぼくは ついていきませんでした
そうか と すこしわらうと せのたかいひとは ぼっちゃんをかかえて いえへむかいました
そのうしろすがたをみながら ぼくは ごしゅじんさまとわかれてから はじめて 
ごしゅじんさま いがいのひとの とおざかるせなかをみるのが さびしい とおもいました


だから ごしゅじんさま ぼくは てがみをかきます
はやく むかえに きてください
ほかのだれか やさしいひとのあとを ついていってしまいそうです
だから はやく むかえにきてください
もし
もしも 
もうむかえに こられない のだとしたら
ぼくに わかるように あいずをください
あいずをくだされば 
ぼくは すこしだけ ごしゅじんさまのことを わすれて
ごしゅじんさま いがいのひとの てから すすんで えさをもらうことを
じぶんに ゆるそう とおもいます
ごしゅじんさま いがいのひとの めいれいを 
いちばんに かんがえること 
ごしゅじんさま いがいのひとの あたたかい てに じぶんから ふれることを
すこしのあいだだけ ゆるそうと おもいます
また ごしゅじんさまに おあいできる そのひまで
それを ゆるしてくださるなら
ぼくに なにか あいずを ください
もちろん むかえにきてくださるのなら あいずなど いりません
いつまでも おまちしています


・・・・・・・・

野良犬は、そう思いのたけを土に書き記すと、主人の傍らに寄り添っていたときのように、その犬語まじりのうろ覚えの人間語で書いた文字の上で眠り始めた。
そうすれば大地にその気持ちが浸み込んで、大切な人に思いが届くのだと、月夜の犬集会で聞いたことがあるからだった。
運がよければ、夢の中で会いたい人にも会える、とも。

そして野良犬は真夜中に目覚めた。
夢に出てきてくれるとばかり思っていた愛しい主人は、まったく姿を現すことはなかった。
命令のひとつもしてくれなかった。
たとえ夢の中でも、必ず迎えに行くから待っていろ、と言ってもらえるのを期待していたのに・・・。
小さなため息をつき、涙がこぼれそうになった野良犬は、思わず夜空を見上げた。
そして・・・。
そこに主人の合図を見つけて、野良犬は言葉をなくした。
星が降るように落ちている。
流星群というものを知らない野良犬には、それがまるで主人からの美しい合図のように思われた。
星はすべて同じ方向に流れては消えてゆく。
あの「せのたかいひと」と「ぼっちゃん」と「おくさま」が眠る家の、その方向にすべての星が降り注いでいるのだった・・・。

それが本当に愛しい主人からの「合図」であるのかどうかは、野良犬にはわからなかった。
しかし、いつになく安らいだ気持ちで空を見上げ続けたままの彼は、心の中で静かにこうつぶやいていた。
こんど 「ついてこい」 と いわれたら、
ちょっとだけ ついていっても いいですか? 
そうしても いいですか? ごしゅじんさま
と。

その問いに答えるように、星はいくつもいくつも流れては消えていくのだった・・・。

(了)


****

shoko様曰く、この犬は、サンタク犬です。萌え!(←やめなさい)
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  1. 2011.09.09(金) _23:58:24
  2. 宝物蔵(頂き物保管庫)
  3.  コメント:2
  4. [ edit ]

<<SS 風来・下 | BLOG TOP | 9月8日に頂いたコメントへの返信>>

comment

動物ネタにはメッチャ弱くて…

  1. 2011/09/10(土) 01:03:43 
  2. URL 
  3. 真宵マイマイ 
  4. [ 編集 ] 
緋翠様、こんばんは。お久しぶりのコメです。

 動物ネタにはメッチャ弱くて号泣でした。「サンタク犬」って、そうかも知れませんね!そうだったら良いなぁ……(涙)
 となると、新しい主はピになってしまうのですよね? ヒョンジョンとしては釈然としないような…。

 サンタク犬がピとトンとヒョンの家に来たならば是非優しく迎えてやって欲しいと思います。犬を飼えば鶏たちの番犬にもになりますし……。ヒョンの意識も犬に向けばピにとっては嬉しいコトでは?
 
 

眞宵マイマイ様へ

  1. 2011/09/11(日) 20:02:27 
  2. URL 
  3. 緋翠@管理人 
  4. [ 編集 ] 
マイマイ様、こんばんは!お疲れ様でした~v
と、確かにお久しぶりなような…?いつもブログにお邪魔しているので久々な気がしていませんでした(笑)

動物ネタ、私も弱いです…!しかもサンタクですから、涙腺が鮮やかに崩壊しました(笑)
あ、shoko様がサンタク犬と最初に話していらっしゃったので、サンタクで確定ですv

新しい主…になるかは怪しいですが、一家の良き友達になると思います。ヒョンジョンにとっては、野山の遊び相手でしょうか。サンタク犬とかけっこしてそうです(笑)
shoko様とも話していたんですが、トン&ピ一家の飼い犬になると言うより、トトロみたいな感じがいいのかなぁと。鶏達には、番犬なしで頑張ってもらいますw


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