善徳女王の感想と二次創作を中心に活動中。

RhododendRon別荘

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小ネタ『美女と野獣』

月曜は日食を楽しんでアンケートのラストスパートもあって(笑)、終日(´∀`)な一日でした…んがしかーし!
週末から家族の半数が原因不明の風邪モドキに罹患しまして、しかも火曜現在、まだまだデンジャラスゾーンだったり悪化したりなもので、がっつりパソコンをやる時間が大変少なくなっております(ノд`;)
そんなわけで、すみません、今週は更新が覚束ないかもしれません…。(また、更新よりも、リンク先にコメントをしたいので…!汗)

でも何もないのも悲しいので、4月に書いたものの、ボツになった小ネタを放出します。57話のトン&ピのハグシーンその後、なネタです。
タイトルからもお察し頂けるかと思いますが、本当に真面目な話ではありませんので、閲覧の際にはご注意くださいませ…!


* *


 処はミシルの霊廟、時は望月の中天にかかる頃。――その望月に誘われるように、突如としてピダムは豹変した。

「ピダム? 少し、痛いんだが……」

 最初にその変化に気がついたのは、彼に抱きしめられているトンマンで、やけにきつくなっているピダムの抱擁に眉間にきつく皺を寄せた。

「ピダム、離してくれ。苦しいっ……」

 ところが、ピダムは頷かない。

「大丈夫です。今に好くなりますっ……ハァッ!!」
「!?」

 かと思うと、何やらブチッとかギャリンと言った変な音がして、トンマンの周囲に黄金に輝く欠片が散らばった。どうやら、礼服の飾りを引きちぎったらしい。素手で。

「ちょっ、何をするんだお前は!! 高いんだぞ私の物は!」
「邪魔なんですよ、あのジャラジャラした飾り。抱き心地が悪い」
「そんなこと知るか! 第一、王の礼服に抱き心地の考慮なんて必要ない」

 問答の合間にも、ピダムの手はトンマンの胴が囲う飾りに伸びている。その手をなんとか押さえつつ、トンマンは今度は引きちぎらせまいと踏ん張った。したり顔が憎たらしいと、鼓動が大きく波打つ。

「でも、今からはただのトンマンの時間でしょう? ただのトンマンには要りませんよね」
「それとこれとは別問題だ……!」
「今宵は言い逃れられませんよ。さっき、ピダム、私を抱けって言ったじゃないですか!」
「そんなことは言っていない!」
「いや言いました! そう感じました!」
「幻覚っ……わあっ!」

 押し合いへし合いの結果、ついに最後の飾りも切断されると、その反動でトンマンはよろけた。危うく尻餅をつく寸前でピダムの手がトンマンを掴んだかと思う間もなく、トンマンの視界はぐるぐる回って、トンマンは茵の上に転がっていた。

「私の陛下……!」
「っ!?」

 しかも、そこになんだか少し呼気の荒いピダムが覆い被さってきたので、トンマンの顔から血の気が引いた。頭上注意。未来の姑(の肖像画)の眼差しが痛い。いや、痛いと言うより、絶対に眉と口の端を上げて見物してそうで、嫌だ。

「――ピダム、ハウス!! 焦るな盛るながっつくな!」
「嫌です。分別はさっき引きちぎりました!」
「上手いこと言ってる場合かー! 母親の霊廟だぞここは!」
「ええ、青い夢とか鼻で笑ったあの母親に、目にもの見せてやりますよ! それに、認知されてないから母親じゃありませんっ!!」
「――!!」

 どうやら、母親と言う単語は火に油を注いだだけだったらしい。とうとうビリビリと不穏な音がし始めて、トンマンは息を呑んだ。
 ――冗談じゃない。ピダムがこんな馬鹿力だったなんて、何故気がつかなかったんだ私は!
 実は、ピダムが十数人の刃を一度に跳ね返したり、重たい城門を一人で開けたりする姿を、トンマンはあまりきちんと見ていなかった。何故なら、ピダムが馬鹿力を発動する時すなわち、トンマンが命からがらなんとか脱出する時なのだ。ピダムを眺めている暇があったら、敵にかかと落としでも喰らわせている。
 とにもかくにも、反撃の暇もなく内衣が露になって、ピダムがごくりと唾を呑んだ。

「ピ、ピダム」
「陛下、優しくしますから」

 ――全っ然、信用出来ないぞその台詞!!

「……いきます」

 さすがに最後の一枚は躊躇われるのか、ぴっちり撫で付けた髪も乱れたピダムは、眼を鋭く光らせながらやっと断りを入れた。

「陛下……」
「あ……」

 そうして、ピダムの手が帯を握りしめた瞬間!

「あーっ!!!」
「え?」

 やけに馬鹿でかい声をトンマンが上げたかと思うと、トンマンはなんと、ピダムの左頬に拳を撃ち込んでいた。

「ぐっ」

 さすがに油断していたのか、綺麗に拳が決まった隙に、トンマンは手探りで掴んだ何かで、ピダムをぶん殴った。

「っ……!」

 すると、打ち所が良かったのか悪かったのか、気絶したピダムがぐったりとトンマンの上に崩れ落ちてきて、トンマンはハァハァ肩で息をしながら、ゆっくり瞼を閉じた。

 そして、一食頃ほど後。

「っ……」

 トンマンは辛うじてピダムの下から脱け出すと、まだ気絶しているピダムを仰向けに転がした。

(よくも……よくもやってくれたな)

 目には目を、歯には歯をの精神でその上に馬乗りになったトンマンは、ピダムの官服をひっちゃかめっちゃかに引っ張り回して(破くのは、トンマンの力では難しかった)、冠も奪って、落武者風味に変身させた。これで喧嘩両成敗――。

「ピダム、いつまで寝てる!」
「!」

 ついでにパァンとピダムの額を引っ叩くと、落武者ピダムがよれよれ瞼を上げて、頭を抱えた。

「き、金属で殴りましたね……」
「死刑にならないだけマシだと思え。不惑を迎えた男が、何を盛ってるんだ全く」
「酷くありませんか。今までずっと我慢してたのに……」
「王に向かって何を言ってる。……よし、行くぞ」
「待っ……!」

 腰を上げたトンマンの手を、慌てて起き上がって掴んだピダムは、漸く己の着衣の乱れに気がついて、顔を紅くした。何やら目がさ迷っている。
 一方のトンマンは、きりりと言い放った。

「初夜が霊廟なんて、ノリの一発で王を弄ぶつもりかと思われるぞ。仁康殿に戻る。早く起きろ」
「……これ、陛下がやったんですか?」
「当たり前だ。こんなにめちゃくちゃにされたんだぞ。やり返さなきゃ、気が済まない」

 ふん、と負けん気の強い微笑を浮かべるトンマンに益々頬を染めたピダムは、結局言われるままに立ち上がって、秘路の入り口を開けた。

「仁康殿に戻ったら、外にいる宮女達に飾りを拾うよう伝えさせよう」
「……はい」

 秘路の中は灯りがなく真っ暗だったので、ピダムは霊廟の灯りを拝借して、トンマンを先導した。が、ゆらゆら揺らめく炎を見ている内に、彼の心もまた揺らぎ始めていた。

『……これ、陛下がやったんですか?』
『当たり前だ』

 ――陛下が自分から触れてくれた。自分から……自分から!!
 結局乗り気なんじゃないかと思うと、仁康殿までの道程がまどろっこしい。要は、仁康殿で朝を迎えれば良いだけのことで、今すぐ仁康殿に行かなければならない理由はないじゃないか……と思う内に、ピダムの双眸に不穏な色が宿った。

 そして、今度は秘路で、美女と野獣の闘いが始まったとか、始まらなかったとか宮女達は噂したが、当の二人は、なんだかんだ言いつつも、最終的には、野獣の如き闘いを、睦み合うのと同じくらい楽しんだそうである。




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  1. 2012.05.23(水) _00:24:39
  2. SS(ドラマ設定IFもの)
  3.  コメント:1
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  1. 2012/05/26(土) 01:32:05 
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